2019年12月22日日曜日

義経千本桜@あうるすぽっと

歌舞伎は「好き」というより「興味がある段階」といったほうが正しい。
まったくもってニワカで、古典の筋だってよく知らないし台詞も全部は聞き取れない。
そういう私ですが、今回のお芝居も楽しめました。
花組芝居の良さってそういうところなんだなと改めて思った良い機会でした。

古典歌舞伎という意味では、義経千本桜を全段2時間45分で上演することは、
ものすごい挑戦(ですよね?きっと)。

特に古典では、まずお話の概要を知っているか知らないかによって大きな差があって、
ふだん使い慣れない言葉の海では、初見や私みたいなニワカでは、100%楽しむことは
できないと思うのです。
それを緩和させて、知らない人もわかる。楽しむことができる。
これが花組芝居の花組芝居たる所以だと思うのです。
だからたくさんの人に観てほしい。

今回、3つの驚きがありました。

一つ目は静御前を演じた永澤さん。
所作がとても美しくて、花組芝居のベテランさんだと思い込んで「誰?」と思って。
声もとても綺麗で。まるで入りたてとは思えなかった。

二つ目は狐の田仁屋さん。
身体能力の高さと、何といっても可愛らしさにズキュン。
欄干から足を外すのにはヒヤッとしました。
二回観て、お芝居と知ってホッとしました。

三つ目は桂さん。
碇を括り付けて、放った後の足の裏。
碇の重さに負けて腰から引っ張られる、足の裏が見える感じ。
控えめに言って最高でした。

三つ目は、歌舞伎に精通している、一緒に行った友人が教えてくれました。

歌舞伎を知らなくても楽しめるけれど、知っているともっと楽しい。
花組芝居はそれを教えてくれる、ネオ歌舞伎団体なんだなあと、心の底から思いました。

今度の公演も、楽しみにしています。
ありがとうございました。






2019年12月6日金曜日

マツダユウジさんについて

twitterで、マツダユウジさんの訃報を知った。
松田さんのことは、今はなきGazioで開催していた
「ニューウェーブとはなんだったのか」というイベントで知ったのだった。

注釈
松田さんは、平沢さんが「旬」というユニットを組んでいた時のメンバー。

覚書によれば、2015年11月22日(日)。
Gazio最後の日(閉店)が、2015年11月末日と発表された後だったので、
それまでに何とか口実をつけてGazioに行きたいと思ったのが参加の発端。
失礼ながら、名前を聞いてもピンと来ない状況での参加だった。

松田さんの印象はというと、自身が興味があることをとことん楽しんでいる人。
そして、音楽の人というより技術屋さんという印象を持った。
(EnergyWorksの頃の平沢さんの印象に近い)

当日のことは別途ブログに書き起こしているので興味がある方はこちらへ。
ニュー・ウェイヴとカフェ/クラブ〜 松田勇治が語るナイロン100%からGazioまで 〜

このブログには後日談があって、twitterで掲載報告をしたら、松田さんご本人から
「添削したほうがいいですか?」とリプライいただいたのだ。

もちろん喜んでお願いし、指摘個所は修正したけれど、それでも
「まだちょっと違うところもありますが、まぁそれは『音のみぞ』次号で明らかにするとして」というコメントを頂戴した。
なので違っているところは絶対にある。(それを了承の上で読んでいただきたい)

だけれども。

もうここが違ってたんですねって報告できる人がいない。
確かにあの場にいた、あのひとはもういない、ことが信じられない。

かしこさんがtwitterに挙げていた「本人はのほほんとしたいい顔していた」が唯一の救い。
火を付けないたばこを、口にくわえたまま作業するさまがずっと脳裏に浮かんだまま。

どこにいても、自由で、好きなことに没頭できていればいいなと思う。
放浪の旅に出ている気がする、そうだったらいいなと思う。

早すぎる死を悼みます。合掌。







2019年11月23日土曜日

文字起こし Back Space Pass FUJI ROCK '19 + 戦法STS 編①

0'34" 口上
えーこんばんは。平沢進でございます。
えー平沢進のBack Stage Pass、『FUJI ROCK'19年 プラス 戦法STS編』ということで、あろるの館、青の間よりお送りいたします。

ご新規さんが多いと思いますんで、いったいこのBack Space Pass   略してBSPと一般的には呼ばれていますが   は何をするものかと言いますと、ライブ等のイベント、大きめのイベントが終わった後にこのようにしてライブ放送で、そのライブにまつわるエピソードとか、そういったものをお話すると。
で、まぁ時間があれば質問に答えるというような番組です。

それで本日は、ちょっとここ目まぐるしく様々なスケジュールが動いてきましたので、FUJI ROCKと戦法STS BATTLES前座編を合体して一つの放送でやりたいと思っています。
ですのでもしかして時間が足りなくなりまして   大体1時間位やるつもりですけれども 時間が無くなって多くの質問には答えられないかもしれないので、その辺はご容赦ください。

2'04" FUJI ROCK参加への経緯
それではまずFUJI ROCK編なんですけども、「なぜFUJI ROCKに参加したのか」ということが色々な方面から問われまして、ごもっともだなぁと思います。

ずっとヒラサワはデビュー当時以外、フェスティバルとか複数のアーティストが登場するイベントには参加してこなかったので、突然こんな参加が決まるということは稀なことです。

と言いますのも前々から言っていますように、ヒラサワ10年周期で何かの大きなきっかけが訪れて、その先の進路が変わっていくというようなことが必ず10年毎に起きています。
これは経験的に確信されていることでありまして、その10年周期の最初の入り口ですね。

最初の1年2年というのは、来るもの拒まずという姿勢でいるほうが、のちのち面白い展開になるということを経験的に知っていますし、それに普段だったらば考えもしなかった選択肢を柔軟に取っていくというふうに、自分自身も姿勢をやわらげて対峙しているというような状態です。

そんな中で   「回=回」でしたっけ、前回のライブは   で、二人の会人が登場して、二回目の登場ですね、白会人になった時に色々話しているうちに、会人がフェスに興味を
抱いているらしいという感触を得まして、これは確かめるべきだと思いまして、撮影も
兼ねまして沖縄に連れ出したワケですね。

そこで夜な夜な私の部屋に集まりまして、「どうなんだ」と。「フェス、出たいのか」みたいな話を冗談半分で言っていたところ、割と本気で感心を持っていると。
で、「出られるなら面白いね」というような話の流れになってきまして、
「なるほどそれじゃあ、私ではなくて、会人をFUJI ROCKに送り込んでみようか」
ということで、帰ってきてからすぐに企画書を書きました。

で、その企画書というのはもちろんFUJI ROCKのオフィスに提出するものなんですが、まあ企画書というより簡単なプロフィールですね。
それを添えて「こんなのどうか」というプレゼンをしようと思って、企画書めいたプロフィールを書いたわけですね。

その時には「会人+平沢進」という見出しで書いていました。
えー、これちょっと読んでみましょうかね。
今企画書がここにありますんで、どうせどこにも公開されずにボツになってしまったものですから。
ここで私が書いた会人のプロフィールというものがあります。
もう盛りに盛っていますね。これをFUJI ROCKのオフィスに提出いたしました。

5'55" 企画書
2017年7月、平沢進のソロライブ「第9曼荼羅」のステージに突如として現れた謎の二人組「会人」。
様々な楽器を操る奇妙なパフォーマンスで瞬く間に聴衆の感心をさらった。
続く2018年9月から始まった平沢進のプロジェクト「核P-MODEL」のステージにも姿を現し、グレードアップしたパフォーマンスで聴衆を魅了し、不動の人気を獲得した。
それぞれが「SSHO」「TAZZ」と名乗る会人の正体は不明で、その活動履歴さえ存在しない。
文字通り突如として出現したった2度のツアーに参加しただけの会人だが、すでに多くの人々から「次はいつ見れるのか」「ぜひまた会人を呼んでほしい」という声が上がっている。
その会人がなんと、夏のフェスティバルに乗り込もうと画策している。
独自のビジュアルとミスマッチする60年代のサーフサウンドに、80年代テクノのテイストを加味した奇妙なバランスで人々の脳を直撃しようとしているのだ。
さらに平沢進をゲストに迎え、

   ここはもうヒラサワ、ゲストなんですよね。ゲストでほんの数曲出てサヨナラって引っ込む予定だったんですけども  

彼のオーケストラ+電子音+サーフサウンドからなるミュータントな音軍放射を加えた異常事態ショーを錬成すべく日々密会を繰り返しているという。
突如として現れた会人が主役として初めて繰り広げるショーの目撃者は幸いである。
なぜなら会人はまた何時消え去るかもしれないからだ。

というふうにまとめた履歴書 兼 企画書を提出したわけです。
それからほどなくして、この「会人+平沢進」という表記のしかたを逆にしてくれないかというオファーがありまして、まあ「平沢進+会人」ですね。無理もないと思います。
実行する主催者側としてみればなるべくお客さんを集客もしたいだろうし、それからいきなり「会人」と言われても誰だかわかんないということもあるだろうから。

8'21" 参加計画
私は当初、会人を送り込んだとしても、それこそ「100人集まればいいな」ぐらいの小規模なところでやるつもりでいたんですが、なんと「もし表記を変えてくれるならば、ちょっと場所も広げる」ようなニュアンスを感じましたものですから、これはいいやということで「まあいいでしょう」というふうにお答えして「平沢進+会人」というふうに変更した途端に、世間であっという間に話題になってしまいまして、後に引けない状態になってしまったんですね。

これは仕方ないということもあって   あ、その前にまだまだ会人をメインで出すという
決定のもとに下準備というのがあって、その時に実は、同時進行してBATTLES関係のオファーもあったんですね   で、それならばBATTLESとFUJI ROCKと同じセットで行こうと。
同じセットで行くならば、BATTLESのほうにむしろ形態を合わせて、ドラムを調達しようというふうに考えたわけです。

会人はワンステージこなす分の曲がないですから、会人2人と私と3人で分担して曲を作っていたんですね。曲を作っている最中にドラマー探しも始めました。

ドラマーは私が、あまり申し上げづらい話ですが、あまりミュージシャンミュージシャンした人が昔から好きではなくて、わりと畑違いの人、例えばベーシストをキーボードにしたりとかっていうようなことをしながら、あるいはそこにいたお客をステージにボンと上げたままメンバーにしちゃうみたいなニュアンスで、ずっと私はメンバーを採用してきた傾向にあるもんですから、今回もあまりドラマードラマーしていないほうがいいかもなということで一人発見したんですが、ドラマーではない人です。
ドラマーではないんですが非常に興味深いキャラクターで、かつ実はライブでドラムも叩くこともあるということで色々交渉しながら、それからリハーサルを見ながら軌道修正したり色々な要望を出したりしているうちに、これはすでにtwitterでもお話しておりますが、突然反会人、これは反会人として告白した人間ですが、突然消滅してしまうわけです。
反会人が消滅してしまい、ドラマーがいないステージ、今からドラマーを探したのでは間に合わないということで、急遽その場所にテスラコイルを置くという発想になりました。

で、テスラコイルを置くからにはスタッフもフルセットで持ってかなきゃならないと。
で、どうせならもうヒラサワフルセットで行こうということで音響、照明も連れてFUJI ROCKに参加すると。
で、テスラコイルを置くからにはテスラコイルが最も映える曲という意味で「夢みる機械」が選曲されたわけです。
ですからFUJI ROCKに乗り込んで「夢みる機械」をかまして、力技で納得させようとかそういう考えではなくて、あくまで結果論です。
その結果、あのようなパフォーマンスがステージの中に登場したということです。

それと準備を重ねましてリハーサル、ゲネプロをやってくうちに、やはり先ほど申し上げましたように「ヒラサワ+会人」という形であちこちで話題になり始めていて、これはちょっとその名前の通りのスタイルに変えるべきじゃないのか。で、なんとその頃にはもうどこのステージでやるかというのが決まっていて、RED  MARQUEEだということになっていまして、これは一大事だと。
100人クラスで考えていたものが5000人クラスとなると、私の責任があるということで、超新人「会人」をメインにするのではなく、例によってヒラサワメインに会人が加わるといういう形に変更してまで参加せざるを得なくなってしまったということですね。
これは嫌々ということではなくて、むしろ嬉しい展開でした。

14'20" FUJI ROCK 1年生
それでいろいろゲネプロを重ねてステージもできあがり、内容もできあがり、音響のバランスも取れ、モニターのバランスも取れ、これを一切動かさずにそーっとそのまま会場に運んでいけばそのまま再現されるはずだというところまで固めて本番に挑むわけですが、何しろFUJI ROCKには初参加ですし、私はミュージシャンでありながら何も知らなかったわけですね。

ちょっと調べてみると何かえらく大変そうで、まるでサバイバルゲームのような、大変なお祭り騒ぎだということがわかりました。

ほとんどが雨で、ホントに大変な重装備でお客さんも参加していると。
長靴はもちろんのこと、色々な、まるでコンサートに参加する人の出で立ちじゃないような重装備で参加しているというその光景もわかり、そんな大変なところに行くんだろうという覚悟を決めつつ、一番問題なのは、渋滞ですね。

観客の車で起こる渋滞に出演者の車が巻き込まれて遅刻するというのは最もみっともない状態だと思いましたので、ルートを念入りに考察し、これは会人が担当してくれたんですが、どこをどう通ってどこで降りて、たとえ遠回りでも渋滞に巻き込まれないようなルートを決めてくれたわけです。

それで首尾よく渋滞には巻き込まれず、また遅刻もせず現場にたどり着けたわけですが、チェックインしたとたんもう土砂降りでした。
どのくらい土砂降りかというと、私の部屋の窓から駐車場が見えるんですが、駐車場の横に川があるんですけど、水が川と駐車場の両方を覆う水位、要する川がなくなってしまうぐらいの状態になっていまして、「これ明日やるんだろうか」と考えながらも、実はその状態でもまだステージではライブをやっていたという。

さすがにみなさんずぶ濡れで、見る人も大変だったと思います。
また窓から見えるちょっとした山の斜面のようなところにテントを張って、そこで寝泊まりしている観客の人たちがいるんですが、その下のほうに、後で聞いたんですがスタッフのテントみたいのがあって、上の方から水がざーっと流れて行ってるのがよくわかるんですよね。
恐らくだからあのスタッフさんたちも大変な目にあったんではないかと。
よくもまあこんなことを毎年やっているなと、非常に感心いたしました。

それで当日、たくさんミュージシャンの方々も、他のアーティストのライブを見るために会場の中を普通に歩いていたりするんですけども、その日出演しているアーティストでもちゃんと長靴を持ってきているという、この「フェス慣れ」というか「FUJI ROCK慣れ」具合には脱帽いたしまして、私たちはもう長靴もないし、カッパもないし、何というかど素人丸出しという感じでちょっと肩身が狭い思いを、というか不真面目さを感じました。

当日そのライブが終わって楽屋に挨拶に来てくださった他のアーティストさんたちも、当日出演したにもかかわらず、見ると長靴を履いていたりとかですね、そのような重装備でみなさんよくわかっていらっしゃると。
我々はとにかくFUJI ROCK 1年生、新入生みたいな感じで非常に不真面目さを痛感いたしました。

19'29" 食事について
それとやっぱり私の場合、ハンディというか我が儘と言うか、食事が特殊ですので心配だったんですが、まあ主催者が最近私のライブの主催も行ってくれていますイベンターさんで、主に外タレを扱う組織ですので、ベジタリアン、ヴィーガン、ピタゴリアンの食事はお手の物ということで、普通にリクエストするでもなく、あれだけたくさんの外人がいるわけですから、多くの方がヴィーガンだと思います。そういうわけで食事の内容も全くストレスなく、簡単にピタゴリアン対応のメニューを摂ることができました。

後で知ったんですけど、アーティスト用のレストランがあったらしく、私は朝起きまして、「どうなっているかなー」と、「これだけ外人さんがいるからちゃんとヴィーガン向けのメニューもあるだろうなー」と思って、「食堂行ってみよー」と思って行ってみたんですね。

さすがに大きな食堂に人がごった返していて、世界中の人がいるわけです。
そうじゃなくてもアーティストが泊まっている棟には世界中のアーティストが泊まっていてうろちょろしているわけですから、同じような雰囲気がその食堂にはあったんですね。
私は難なくピタゴリアンメニューを自分でとりわけて、窓辺に、窓の外に向かって野菜を食べたりジュース、スムージーを飲んでいたりしたわけなんですが、何とそこは、後で知ったんですけど一般の方々の食堂だったらしく、私は一般の方々の食事を盗んでしまいました。

で、後に案内された出演者それからスタッフ専用の食堂に行ったら、それはそれはタワーのような冷蔵庫に、有機野菜、有機フルーツのジュースがダーッと積み上げてあって、そして例えばスパゲティのソースも普通のソースとヴィーガン用のソースと別々にあったりとか、そういうことで、食事については全く問題ありませんでした。

今まで、無理言って、「すいません、ホントすいません、ワガママですいません、大変でしょうけどこれ私のお昼のお弁当こういう風にしていただけますか」みたいにやってきたことが嘘みたいですね。

23'05" 楽屋について
それからですね、楽屋です。
私は過去にいくつかフェスティバルというかイベントに参加したことがあるので、そういう場合ほとんど楽屋がないということを認識していました。
一つ大部屋みたいなものがあって、出番が近づくとそこに入り、出番が終わるとそこを次のバンドに空け渡すというような形態だと思っていたんですが、ちゃんと楽屋があって。
しかもそれも時間でローテーションされているんですけれども。とてもたくさんの出演者がいるので。

ホテルの、おそらくあれ地下ワンフロア全部楽屋だったんじゃないかな。
で、非常に長い長い廊下の両脇が全部アーティストの楽屋で、私たちの楽屋もちゃんと結構大きな楽屋でしたね。
ちゃんとソファーもあり、冷蔵庫もあり、ビールもあり、みたいなちゃんとした楽屋でした。

ところが、これは別に主催者の責任でもホテルの責任でもないんですが、あれだけの雨が降って、地下のフロアに影響が出なかったのかというと、出ておりました。

なんとトイレの床に水が…そうですね…このぐらい(5cm程度)、溜まっていました。
もちろんこれは、スリッパとかサンダルはだめですね。
私の靴でもこう先端は浸水しておりました。このぐらいトイレに浸水しておりました。
それほどひどい雨が降ったということだと思います。

25'05" FUJI ROCK本番
それから翌日出番の時間が近づきまして、我々は楽屋に集まって、最終的な段取りのチェックとか、それからまあ色々話し合いながら出番を待ちました。
その間にも雨が降ったり止んだりだったと思います。

そして、このまま楽屋から我々のステージRED MARQUEEまで歩いていける距離ではないので、まさか歩いて来いとは言わないだろうなとは思っていましたが、ちゃんと雨の中でも濡れないように大きなワゴン車が待機していて、そのワゴン車に乗ってRED MARQUEEの裏の控え準備スペースみたいなところ、バックステージですね、かなりでかいバックステージに到着いたしました。

それで、久々のフェスティバルですね。
多くの私のファンの側の人たちが、フェスティバルに出るのは信じられないというような言われ方をするほどフェスティバルとは無縁だったわけですから、まあフェスティバルが好きで、野外でとにかくノリノリで楽しむ、あるいは夜ちょっと一杯飲んで、気分を高揚させてノリノリで楽しむみたいな人たちにとって、一体ヒラサワはどうなんだろうと、若干の不安がありまして、これは嫌われても仕方ないなと。

むしろお邪魔する覚悟で行って、そこはもう缶とか飛んで来たら謙虚に「すいません」て謝ろうと思うぐらいの謙虚な気持ちで挑んだわけですが、何とパンフレットを当日見ましたら、事前のネット上での評判もそうだったんですが、何かものすごいことが書かれているんですね。

「奇跡」みたいな。「ヒラサワがフェスに出るのは奇跡」みたいなことが書かれていて、もちろんパンフレットにも書かれていて、もう、どえらいことが起こると言わんばかりのことが書かれていて、ちょっとこれは「この通りじゃなかったらどうすんだ」と。「ヒラサワインチキと言われてしまうじゃないか」みたいなぐらいに好意的に書いてくださっていて、恐らくこれを見たら誰でもちょっと「ヒラサワって何だ」と、「見てみたいな」と思うぐらいの書かれ方をしていたんですね。

そんなことですから、おそらく出た瞬間はたぶん盛り上がるだろうと。
でも一曲目終わったときにどうなるかわかんないっていう若干不安を抱えつつ、バックステージに降りたんですよね。車から。

そしたらこのときに独特な感覚、P-MODELがデビューして1979年か80年のXTCのサポートをやって京都まで一緒に行ったとき、初めて京都で演奏するときの感触と似た感触があったんですね。

それは、何がどうっていうのではなく何かこうひしひしとスタッフの気の張り方とか、スタッフの緊張の仕方とか、みたいなものからたぶん伝わってくるんだと思うんですけれども、バックステージに大勢のスタッフさんたちがいて、楽器の転換や、それから色々もやるスタッフさんがいて、私の顔を知っているスタッフさんもいるし、知らないスタッフさんもいると。そういう人たちがですね、なんか視線を感じるんですよ。

これは気のせいかもしれないんですけれども、もう気持ち的には嫌われ……つーか客に拒絶されたらされたでしょうがないなあ、みたいな気持ちがあるんで、誰かに見られると、何かちょっとやっぱり「視線が刺さる」みたいな感覚があるんですけれども、どうも私が受けている感じだと、「出た出た。これがヒラサワか」みたいな雰囲気があって、その時「これはいただきだ」と。

これ初めての京大西部講堂で感じたのと同じで、「これ、もういただき。あと安心して良し」みたいな確信めいたものを得たわけですね。
で、ちょっとステージが見えるところまで歩いていくと、お客の状態とか、やっぱり周りのスタッフの状態とかから、「やっぱりこれ、勝ちかも」みたいな感覚を得たんですね。

そのあとはもう不安はなにもなくなって、ほぼ半笑いみたいな状態でステージに出たら、ご覧のとおり温かく声援をいただきまして、受け容れていただきまして、現在に至るということで、本当にみなさんありがとうございました。
ということで、ここまでFUJI ROCKのお話でした。





文字起こし Back Space Pass FUJI ROCK '19 + 戦法STS 編②

31'05" 質問コーナー
もう30分経っちゃったんですね。
じゃあここでちょっとFUJI ROCK関係の質問にお答えしましょうか。
いくつかFUJI ROCK関係のお答えしていきます。
まず、気になるのがあったんだなあ。これ最初に答えちゃいましょうかね。


FUJI ROCKだけではないと思いますが、「夢みる機械」の盛り上がり、サビの部分のパフォーマンスは見ようによってはネオナ○のそれを連想させるようにも思えましたが、平沢さんは予測としてどのようなリアクションが返ってくるだろうか、とかございましたでしょうか。

これはね、あのネオ○チでもナ○でもどちらでもいいんですが、こう言われるとは思ってもみませんでした。

例えば、私がステージの上でこうやりますね(ライフル銃を構えるジェスチャー)。
こうやった時に、人は「ヒラサワは人殺しをステージの上で奨励した」と言うんでしょうか。
それからこれも同じですね。例えばこんなこと(ハンドガンの引き金を引くジェスチャー)やったりしたら「あ、ヒラサワは人殺しを奨励している」と。これ言わないですね。
ところがなぜこういうふうにやると(エントロピーポーズ)、ネオナ○、あるいはナ○スドイツ、あるいはヒッ○ラーを連想すると言われるのか。
これは、よく考えてください。他のジェスチャーで、他のポーズでそういうことは言われないと思います。

今言ったように、こうして私が人を殺す形をしてさえ、誰もヒラサワ人殺しを奨励しているというふうな反応を引き出すような条件付けはされていないはずです。
つまり誰にも条件付けされていないとそういう素直な反応になるわけですね。

ところがこう(エントロピーポーズ)やるとネオ○チ、あるいはヒッ○ラー、あるいはナ○スドイツと言われる、なぜここだけこう言われるようになったのかというのを、感心がある方は自分で調べてください。
私は言いませんけれども、感心があるなら自分で調べてください。
ただし普通に歴史を辿ったんではわかりません。世界を一枚二枚剥がしてください。
以上です。

それから次の質問ですね……今のあれでちょっと世話役がハラハラしたと思いますんで、すぐ他の質問に行きます。


FUJI ROCKは野外でのライブでしたが、いつもの屋内ライブと違って、音響の面など色々勝手はかなり変わるのでしょうか。

はい。もちろん会場が変われば勝手は変わります。
例えば今回はゲネプロと言って、ライブと全く同じ状態、PAもモニタも全部同じセットを組んで、全てバランスを整えてそれをそのままそーっと会場に持っていくということをしています。
ですから全く同じに再現されるはずなんですが、そうはいきません。

もちろんその物理的な条件、会場の広さとか観客の数とかこういうのを全部なくしてしまって、回線の中で起こっている出来事として見るならば、全く同じなんですけれども、そうした物理的な諸条件によって鳴り方や聞こえ方が全く変わってしまいますので、その後現場で調整が必要となってきます。

それから、昔はモニタというものを、ステージの上では生のスピーカーからアーティストは聞いて演奏したわけですけれども、私の場合はすべてイヤフォーンで聴きます。
ですから会場がどうあれ、リハーサルと同じ状態で聴けるんですね。

ということでこのモニタに関しては比較的安定的にリハと同じような状況で聴けますが、それでもまだ調整が必要な局面というのは出てきます。


前のBSPで舞台装置は中井さんが手掛けると仰っていましたが、FUJI ROCKでのバックの映像は、平沢さんからコンセプトを出されそれに合わせて作られたものなのか、それともブリッジやアレンジから中井さん独自に作られたものなのでしょうか。

これはですね、中井さんです。
例えばステージで映像を使うということについて、よくある、例えばVJとか見てると結局みな同じに見えてしまう。
そうではなくてもう少し、映像家というよりもデザイナー的な立場から映像を構築するとどうなるかっていうのが非常に興味があったのと、それから中井さんのデザインセンスというのは昔から高く評価していたし、それから中井さんが自分の楽曲に付けている映像も非常に良いものがあるので、中井さんにお任せしてやってもらいました。
非常にシンプルで良いものだったと思います。


平沢師匠がおいでになると知り、勇気を出して、もう若くないのですが  
あのね、こういうことは言わないほうがいいですよ。
  兵庫県からFUJI ROCKに初参戦しました。
気になるのが、師匠はご自分のステージにかかわる以外の時間、苗場でどのように過ごしていらしたのでしょうか。

あのね、「もう若くない」とか言うのやめましょう。それは自分で決めてください。

質問ですが、例えばね、意外とライブの現場というのは時間がかかるもんなんです。
例えば朝早く入って出番のある夕方まで何もやることがないかというと、そうでもなくて、サウンドチェックとか、それからリハーサルとか、何かにつけあるんですよ。
ですからかなり早い時間から会場にいつも入っていなくてはいけなくて、かといって何もやらない時間も長いんですね。

だけども何かまとまったことをやるには短いということで、割とダラッとしてますね。
ダラッとしているか、みんなは何か食べたりとかですね、それからお茶飲んだりとか、そういうことをして過ごしています。

また、会人はちょっと元気が良かったので、元気が良いので、会人の独りは他のアーティストのライブを観に行ったりしていました。
私はちょっとそれは控えました。


FUJI ROCKで演奏されたアレンジは、今後 映像化、もしくはテスラカイトショップで配信、販売される可能性はありますか。

可能性としてはあります。
ただ、まだ具体的に決まってはいませんが、私が新たにアレンジしたものや、そういうものについては公開するようになると思います。

似たような質問でDVD化、FUJI ROCKは映像として販売されないのかという質問もあったと思うんですがこれはFUJI ROCK側が出すと言わない限りあり得ません。
あれは我々の仕切りじゃないので、そこは単独で出すということは不可能に近いです。


会人が使っていたテスラコイルの演奏楽器の仕組みを教えてください。
あと、あれに名前はありますか。

あれはですね、テスラ放電の装置なんですが、電子楽器を演奏するための約束事っていうか信号の中に音程の命令を出す信号というものがありまして、鍵盤やFUJI ROCKで会人が使っていたパッドですね。ボタンがいっぱい並んだパッド。
あそこから、専門的にはノート・ナンバー……じゃなくて何だっけ、忘れちゃった。
ま、要するにドの音を出せミの音を出せという命令を出すわけです。
そうすると、それに合わせてテスラコイルは放電電圧を変えて、例えばドの音を出せと言ったらその信号を受けて自分で放電電圧を変えて音として演奏されるようになります。

で、あれに名前はないのかと言う質問ですが、あれは私のオリジナルではなく、アメリカ人が作ったものを売ってもらったんですね。
その時確かゼウサホーン(zeusaphone)というふうにして、youtubeか何かで公開されていたと思います
以上です。

BATTLESのほう質問少なかったんで、もうちょっと行きましょうか。


吹奏楽部の後輩に、今回のFUJI ROCKの師匠のライブ映像を見せたところドン引きされました。
ここで師匠のことを知らない赤の他人に師匠の楽曲を聞かせるとしたら、アディオスあたりが有効なのでしょうか。
個人的にこの曲から始めさせたら落ちるよと言える曲を教えてください。

それはございません。ていうか勧めないでください。
音楽というのはその人の感受性ができるに至るその履歴も含めて、初めて出会ったときに良い悪いが判断できるようなバックボーンができていた上反応するものですから、もし、ヒラサワの音楽に自然に出会って良いと思えないなら、無理やりに勧めないでください。

例えば私は外に出てBGMでJ-POPが流れていると非常に不愉快になります。
大嫌いだからです。大嫌いだし、キモチワルイですそもそも。
あんな上っ面、上辺だけの作文のような言葉を並べたものをいい大人たちが寄ってたかって作って、しかも商品化して、それを買う人がいるというのが今でも信じられません。
それで、ああいうものを私に勧められたら完全に拒否いたします。
ですから、そう言うのを好む人にとっても私の音楽はキモチワルイと思いますので、無理に進めないでください。

ということで、じゃ、ここまででFUJI ROCKを終わりにします。
次はBATTLESですね。


44'13" BATTLESについて
私がなぜBATTLESを知ったかというと、つい最近なんですね。
BATTLESを見つける経緯を実はtwitterでも公開しているんですけれども、これもつい最近です。ギターを高い位置に抱えるアーティストを探してたんです。

ギターというと、割と低い位置に構えるのがかっこいいと。
より低く構えるのがかっこいいとされてた時代は、つまりそれはギターの何たるか。
不良とかだらしないとか、あるいは何だろ、そういうロックに得てして投影されがちな、そういうイメージ。それはもう終わってるよなぁと思って。

例えばニューウェーブが出てきたときに、その前はみんな長髪で、ギターも独特の、まあ今ではみんなまたやり始めちゃってますけれども、ひねり出すようなチョーキングをするギター奏法っていうのが主流で、長髪でって言う時代から、突然ニューウェーブに切り替わったときに、みんな髪を切って。
スパイクヘアみたいになって、ギターもちゃんと弾かないみたいな、ゲームチェンジみたいなものがあったんですけれども、そういうのはあるだろうなと思いながら、そのバロメーターがギターを構える高さにもあるんじゃないかというふうに考えて、なんか上の方に持ってかっこいいアーティストいないだろうかと思って探していたとこに見つけたのがBATTLESです。
極端に上のほうに構えているのがめちゃくちゃかっこいいなと思いました。

まずBATTLESのようなスタイルというのは、実はありそうでなかったんですよね。
BATTLESに対する論評は、後で時間があったら話しますけれども、そういうことを含めて非常に新しいスタイルで、新しい姿勢のギタリスト、あるいはギタリストですらないみたいなものを感じまして、「この人たちすごいかっこいいわ」と思っている矢先に「BATTLES来るよー」みたいなことになって、あれよあれよという流れで前座をやらせてもらうということになった次第であります。

で、最初は情報が色々錯綜していまして、東京だけとかいうことだったんですが、そのうち全部前座をやらせてもらえるということになって、今回のような3か所一緒に回るという結果になった次第です。

それでさっきもお話しましたが、FUJI ROCKとBATTLESとでは同じ編成にしようと思いまして、むしろBATTLES対応でドラマーを探していたわけですが、ドラマーがついに見つかんない状態でテスラコイルをそこに置いた結果、FUJI ROCKでは成功したものの、BATTLESで回る会場とか、BATTLESの臨場感を考えた結果、やはりドラマーが不可欠だと思いまして、急遽またドラマーを探すことになりました。

それでまたyoutubeで探すんですが、いくら探してもこれだというドラマーがいなくて、ある時、どっかアジアの……たぶん韓国か台湾ですね、女性の女の子が路上でめちゃ上手いドラムを叩くというのがあって、そこから路上パフォーマンス……もう検索言語は日本語ではなくなっていて、路上パフォーマンスみたいなモノの繋がりでずーっと見てったら、何と地下鉄の中でドラム叩いてる奴がいると。よく見たら「これもしかして日本人じゃねぇか」と。「コイツ読んでこい」みたいな話になりまして、さっそく連絡を取ったのが、ユージ・レルレ・カワグチです。

それで、その時にさっきも申し上げましたように私は「あまりドラマードラマーしたドラマーじゃない」「ドラマーであること以前にその後ろに何があるのかというのがうっすらとでもいいから見える人」ということで探していたんですが、もう地下鉄でドラム叩く人といえば、ドラマー以前の姿勢というか、「この人はどういうドラマーですか」と言われたときに、「プレイがこうで」というのではなく、「地下鉄でドラムを叩く人」といえるような、こういう人を探していたんですね。
地下鉄に限りませんよ、たまたま彼が地下鉄で叩いていたということで。

ということで、彼に連絡を取りまして、「これこれこういうことでお願いできませんか」と言ったら快くお受けしていただいて、軽く2日間から3日間ぐらいリハーサルをやって、「全然これはいける」ということで、本番前のゲネプロですべてを固めて、BATTLESのツアーに臨んだということでした。

FUJI ROCK同様BATTLESも前座ですから、「拒絶されることはあり得るな」と思っていました。ただ不安はそんなに無かったですね。なぜかというと前座ですから。望んで前座になったわけですから、これもう拒絶されようが何しようが前座は前座ですので、どってことないと。

ま、それもそうなんですけど万が一、とてもウケてしまうのは良くないとは感じていました。つまりFUJI ROCKの騒ぎの後だったんで、噂だけで行ってドカーンと行ってはまずいなというのは感じていて、ま、そんなには心配はしていませんけども。もちろんBATTLESを目当てに来ている方々たちですから、ヒラサワが出ていったからといって、「フーン」みたいな感じになっても当たり前だと思っていますんで。

ただ万が一、FUJI ROCKの騒ぎ・情報によって、多大な期待のためにドカーンと来たらまずいなということで、一曲目を「死のない男」にするという。まず、はぐらかしながらバトルズファンには恐らく好みの範疇だろうと思われるような選曲という意味で、一曲目が「死のない男」でした。

その先やっぱりあまりドカーンと行かないように、そのままそっくりステージをBATTLESに渡して、BATTLESでバーンといくような、曲の配列を考えておりました。

それは、もちろんお客さんたちも大人ですので、その辺はわきまえてくださっていたと思います。BATTLESのときにバーンと行ってくれて……つまりこれは私のファンの人たちのことですよ。例えば……イヤ、これはいいや笑

ま、あの、狙い通りというか、願った通りバトルズが快く演奏ができて、BATTLESファンのみなさんも、よりよいライブ空間を共有できたと。

でBATTLESは最後に一緒に写真を撮り……あ、一緒に写真撮りました。撮ったときに
「これファンクラブのマガジンで使っていい?」っつったら「もちろんだ」っつって、
「じゃあまた日本に来てくれるか」ったら「もちろん来るよ」と、そう言ってくれたんで、「我々の役目はこれで終わりだな」と、そのように感じて、帰路に、帰りの新幹線に乗り、品川に着いたら人身事故で、つくば方面には電車が出ていないと。いつ復旧するかわからないと。

もうまったく名古屋から来て疲れて早くうちに帰りたいのに品川で足止めぁと思いながら、沖縄でレンタカー慣れしている私はですね、即座にレンタカー屋のアプリを出しまして、近くのレンタカー屋を検索しまして、見事レンタカーを借りて、あろるの館に、その日のうちに帰宅することができました。

以上でBATTLESの物語はお仕舞いです。



55'06" BATTLES関連質問コーナー
あと5分ですね。
じゃああと残り5分でBATTLES関係の質問にお答えしましょう。


戦法STSのセットリストはP-MODELとソロの曲で構成されていましたが、選曲はみなさんで決められたのでしょうか。
また、「死のない男」を1曲目にされた理由を教えてください。

選曲は私一人で行いましたし、「死のない男」を1曲目に持ってきた理由は今お話しした通りです。


戦法STSにおける鉄砲玉ことユージ・レルレ・カワグチ氏の起用に際し、決め手となった音楽性や人柄、キャラクターの面などお答えいただければ幸いです。

まず、彼は若いのですが、好きな音楽が非常に古風ですね。
毎回毎回、毎日Tシャツを着てくるんですが、キングクリムゾン、レッドツェッペリン、ピンクフロイド……は無かったか、なんかねそういう60年代後半の音楽が好きらしく、その辺の感受性を持っている人間で、実はヒラサワのルーツをたどっていくと「行き当たるところに非常に接近している」という意味で、「こここうね」って言ったときに簡単に伝わりやすいっていうところもあるし、それからやっぱり、何て言うか……簡単、「性格が簡単」みたいな。「いいかげん」ていう意味じゃないですよ。シンプルなので、とても良いと思いましたね。ま、そういう意味で。

それと、やっぱり若干30代にして単身外国に行っていきなり路上でやってしまうと。
これをして私は「鉄砲玉」と言っているんですけれども、ま、そのような勢いのある人間であるにもかかわらず、非常に謙虚であるというところが決め手になりました。

もちろん音楽性は先にお話ししたように、まずツーカーの部分があるということですね。
そういうことです。


バトルズのどういったところがお好きですか? 平沢さんの言葉で感想を。

さっき言ったように「何もかも新しい」という感じがしますね。
しかも何が新しいって、ああいうデジタル音源を使いながら、元がギタリストなんですよ。
つまりずーっとテクノが生まれてから現在に至るまでの間に、ほとんどがキーボード奏者の作品だったんですね。
私もギターから発想するものというがなくて、やっぱりキーボードから発想してくるっていう曲作りをずっとやってきたわけです。
打ち込み系の人つーか……ま、そういうデジタルを重視するアーティストの中で、ありそうでなかった「ギタリスト側からのアプローチ」という感じがします。

その際に、使われている音源が   例えば今までならば執拗に「クオンタイズ」と言って、リズムをきっちり量子化して寸断して細かく割って、きちっと合わせていくというような作業をして作り上げてきたガッチガチの音楽が良しと。特に最近のダンス用の音楽、EDMっていうんですか、なんかもそうで、それが類型化してしまって、ついには目的化してしまってつまんなくなってきているという中で   あるクオンタイズ。前後はきっちり合っているんだけど中身は揺れているという、録ったまんまなんだけど、デジタル化された整理感があるというその、なんていうか「オーガニックデジタル」みたいな。……ちょっとこれインチキですよ、私が今作ったんですよ。そういう感じがします。

で、ギターからのアプローチでありながら、ギターを舐めてますね。完全に。
ま、これは私の感想ですよ。本人何て言うかわかりませんけれども。
つまり、右手がふさがっているのでこっち(左)はハンマリングだけで音を出すと。
しかもどうでもいいような場所で、わざと外したような音をピーンピーンと出している。
  「どうでもいい」っていうのは私が言ってるんですからね。本人が言ってるわけじゃないですよ   というようなところが、非常にその、態度が新しい。いわゆる「テクノ以降」の、機械を使った音楽の在り方の一つではないかと。素晴らしいと思います。

ということですね。
ということで時間が来てしまいました。

なんかもうちょっと、じゃあもう一個だけ言おうか。


会人や黒覆面をしたレルレ氏のような人間の顔でない、顔を晒していない人物がパフォーマンスをする効果についてどうお考えですか。

はい。これを最後の質問で終わりにします。

まず顔が見えていない、表情が見えていないということは、観客の、見る人の中にあるものが投影されやすいということですよね。
だから、例えばあれは怒っているとか泣いているとか、あるいは顔を見てどういう人間かというのを人はある程度判断できる能力がありますけれども、そういうのを全部遮断されてしまったときに、人はもう自分の中にあるものをその人に、その物体に投影するしかないんですよね。

その、人が自分の中にあるものを投影していくという状態が、音楽の成り立ちと力関係が非常に近いんですね。

つまり音楽が出てくるところというのは、人が投影すべきものを「どうぞ投影してください」あるいは「あなたが投影したいのはこれじゃないですか」というふうにして成り立つ。少なくとも私の音楽はそう成り立つべきと考えていますから、私以外、   もちろん私が覆面してもいいんですけど、それだとちょっと別の意味合いのプロジェクトになってしまうので   ということで顔の見えない人たちがステージにいるということは、「一つの音楽としての果たされるべき機能をより良く果たすパーツが増えている」という考え方をしています。


ということで時間が来てしまいましたので、今回のBack Space Passはこれで終了といたします。
今回は放送事故もなく……ま事前にありましたけどね、無事に終わることができ、よろしかったんではないでしょうか。

それではみなさん長々とありがとうございました。

これにてサヨナラ。





2019年9月6日金曜日

嬉しいできごと

一丁前に、独りで飲みに行くバーがある。
バーといえば二次会に来るひとが多いので、オープン時は空いている。

わたしはその静かな時間帯にお邪魔することが多いのだけど、
いつも、入ってすぐのカウンター席に男性がひとり座っている。

その男性が、みずからお酒を注文するところを見たことがない。
飲み終わるころ、マスターが次のお酒をつくって出すのだ。
きまった杯数を飲み終えるとさっと帰る。
スマートでかっこいいなと、何となく目の端で認識していた。

話は変わって。
わたしはその店を出た後、本日の目的である別のバーに行った。
ここは、もとはさっきのお店の二号店だったが、最近独立して
正式にオーナーとして営業を始めたところだ。
余談だが、わたしはこっちのマスターのつくるジンリッキーがいちばん好み。

お酒を飲んでいると、男性が入って来て隣に座った。
目の端に入ってくるお酒を飲むしぐさ、声。あ、あのひとだ。
そう思っていたら、「さっきいましたよね」と話しかけてくださった。

「いつもね、姿勢がいいなと思ってたんですよ。
あなた見てるとね、フェルメールの、なんだったかな、
耳飾りの少女、あの絵を思い出すの。
(前の店の)マスターにもね、いつもそう言ってたの。」

恥ずかしいやら嬉しいやら。
しかしやっぱり、みんなそうなんだな。
別に話しかけないし、詳しく訊かないけど。あ、今日もいる。と。
利害のない、でも見知ったひとと、空間だけともにするかんじ。

そうして、「うん……、やっぱり、来るよね。ここに」と。
それは、新オーナーへの応援のきもち。
わたしも同じ思いで来ていたから、すぐに意味がわかった。

マスターは、「あっちの店では(お客さん同士)しゃべらないのに、
こっちの店だとしゃべるんですよね」と、不思議な顔をしつつも嬉しそうだった。

いい夜だったなあ。
というお酒の思い出のはなし。

ちなみにいつも飲んでいる(自動的に出てくる)お酒はなんですか?と聞くと
「ホワイト・レディ。僕はもうこればっかり」と教えてくれた。





2019年7月28日日曜日

フジロック2019(20190728)

まず、平沢さんがフジロックに出ること自体に驚きを隠せなかった。
会社でtwitterのTL覗いて、フジロック公式見ても「コラでしょ?」と思ったもの。
その後ほんとうだと知って「は?は?」「いやいやいやコラ……え?は?」と
午後の仕事が手に付かなかった思い出。

実際体験してみると、初のことが多すぎて、残しておきたいことがたくさんあるから
章分けしておく。

【1】セットリスト
【2】覚書・感想
【3】ヒラサワファンについて
【4】準備・荷物・フジロック所感


【1】セットリスト
01.TOWN-0 PHASE-5
02.Archetype Engine
03.フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ
04.聖馬蹄型惑星の大詐欺師
05.アディオス
06.アヴァター・アローン
07.夢みる機械
08.ジャングルベッド
09.インスト曲(ギターアルバムのための新曲?)
10.ナース・カフェ
11.オーロラ
12.白虎野
EN.回路OFF 回路ON


【2】覚書・感想
前のグループ(CHON)が終わるや否やなだれ込む骨々。
RED MARQUEEという、フジロック会場の中では比較的閉鎖的な空間だったこともあり
フジロックではなく平沢さん単独のライブに来たような感覚に陥る。

セッティングや音響・照明・映像のテストから大盛り上がりで、テスラコイルの登場で
どよめく会場。「消防法クリアしたんだね」の声(笑)
普段なかなか見られないセッティング風景と、これからこの舞台に立つ平沢さん+会人
を想像すれば、おのずとテンションも上がるってものだ。

セッティング時、出音チェックか何かでアーキタイプと聖馬蹄型(だったか)が流れ、
「演るかもな」と思った結果、演ったんだけど、ほんとは裏切ってほしかった。
まあサウンドチェックで本人が出てこないだけでも、音響さん的には不安要素だろう
から仕方ないですけどね。

さて本題。

01.TOWN-0 PHASE-5
映像と絡めた出囃子。ぴ・ぴ・という電子音にギターが絡む。
ギターのこと良くわからないけど、回=回とか聖馬蹄型とかの音の感じ。
黒地に白の平沢進+会人のロゴマークが重なっていき、中央に収束していく。
会人登場、TAZZがトンカチのようなものでギターを叩き弾く(?)

続けて平沢さん登場、後ろ向きで手を広げるポーズ、からの振り向きざまの
「インヤー!」がたまらない。
銀髪にフチなしメガネ、いつもの黒いジャケット。メガネでライブはお初。
抹茶EVOは背中に背負うスタイルで登場、ギターソロでは1曲目からデストローイ。
「行こうすれ違おう」で一斉に手が上がる。周りは全員ヒラサワファンだった。

02.Archetype Engine
意図的に、演る曲を想像しやすくする出囃子と、想像しにくくする出囃子があると
仰っていたがこれは後者。歌い出しでやっとわかった。
この曲のギターも最近お好みの音だと思う。

03.フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ
期待していたので嬉しい。。フルヘでレーザーハープを使うと思っていなかった。
レーザーハープでどの音を演奏していたのかちょっとわからなかったが、
結構激しく手を動かしていた。
「ヘッヘッヘッヘッ」を入れておけば星を見なくて済むのに。
(それじゃ歌っているとは言えない)

この曲では平沢さんもクラップするので、観客にもクラップを望んでいる意図を
感じられる数少ない曲。これはフジロックだから入れてきたのだろう。
どこでパンパンしたらいいかわからなくなるが(特に今回はアレンジ強めだし)、
会人が正しいところで手を上げてくれるので、見倣ってやってました。
この核Ver.フルヘ、かっこいいので音源リリースしてほしい。
※今はビストロンのDVDにしか入ってない。

04.聖馬蹄型惑星の大詐欺師
安定の馬骨コーラス部。盛り上がります。
「聖なるかな」で、バンザイに上げた両腕をゆっくり下ろし、
「あーあーあーあー」でゆっくり上げる。
今回、レーザーハープも含めて身ぶり手ぶりを大きくしてきた。

05.アディオス
06.アヴァター・アローン
選曲が意外だった。老舗曲から来るか、回=回から来るかと思っていたので。
(実は遮眼大師来るかと思っていた。「マントラー!」打つんじゃないかと)
「アヴァター・アローン」で後ろを向き、手をくるくるするのがタイの舞踊のようで
美しい手の動きに見入ってしまった。

07.夢みる機械
まず、テスラコイル消防法申請していた時点で「夢みる機械」は演ると予想。
ライブで観たかった曲の一つなので、夢がかなった。
ここで登場テスラコイル。高電圧注意マークの映像に高まる期待。
いったん引っ込んで、下手から歩きながら「モンゴルからスカラープールへ」
振りかぶってテスラコイルに向かって「エントロピー!」、左手は腰。
もうマッドサイエンティスト以外の何者でもない。
これこそが平沢さんのやりたかった姿だったのかもとさえ思う。
(ERRORの時は若すぎた、白髪にメガネが相応の年齢だからできるコスプレ感)

途中、TAZZの送受信機?たぶん腰に装着している機器が落ちてしまい、
ギターのネックに絡まるアクシデントあり。
平沢さんは吟じながらささっとほどいてやるが、「エントロピー!」でいったん中断、
サビが終わるとまたTAZZのもとへ。
ほどいたあとのTAZZのお茶目なペコリが愛らしい。
スタッフさんは気づかなかったのか、それとも「自分でやる」と何か合図したのか。

「デラワーカメラでスナップショットを一枚」カメラで撮るしぐさに会場内絶叫。
あれ、2555(だっけ?)でお気に入りになったのかな。
「導線コイルのトーテムに一礼する」、テスラコイルができたからこそ
実現したのだなあと実感(これも初出は2555?)。

08.ジャングルベッド
こういう曲を不意に入れてくるところがもう!感動で崩れ落ちそうになる。
しかも「~~の発明者はだあれ?」「見よ 百獣の~~」という歌詞まで付いている。
歌詞は公開されるのだろうか。いつも驚きをくれる。
あの力強い「Ho!」で、循環カフェを一瞬思い出した。

09.インスト曲(ギターアルバムのための新曲?)
ギターアルバム制作中?とのことなのでそこからの新曲かと推察。
Ice-9が氷や水の印象なら、この曲は大地のような印象を受けた。
抹茶味のPhyto electron、常磐線カラーのBucklund400、カラーの違う音色。
本当はギター好きでしょ?
3人でシンクロした動き(左を向く)も良かった。

10.ナース・カフェ
予想していなくて、しかも突然に来たので驚きと感動で号泣してしまった。
会場の「ナース・カフェへ!」が見事にそろっていたのも感動ポイント。
「ハイヤイヤイヤイヨー」のすいっちょんバージョンでした。
音が取りづらそうで何度もイヤモニに手をやる。
出音も低音すぎたけど、それに引っ張られて中音もつらかったのか。

11.オーロラ
やっぱり予想がつかないイントロ。
映像ではテスラカイトのバーコードに赤い縦帯。
救済の技法?と思わせておいてオーロラ。赤い帯の意味は。。
デストロイもやってくれました。

12.白虎野
安定の歌声。ぶっ通しでここまで歌ってきて、あの高音が出るとはさすが。
いつも「ありがとう」が寂しいけど嬉しい。

EN.回路OFF 回路ON
これはアンコールのせいかアレンジ無し。
MCは「ありがとう」だけだろうと予測していたので、予想通りの結果に。

今回、全体を通して低音が出すぎていて、平沢さんの声が聞こえにくかったのは
ちょっと残念だが、その分体で感じる音!という印象。
あとでYoutube再配信を観たらとても良い音だったので、フジロック現地民のための
ねらいだったのかもしれない(体で感じる音楽)。
比較的前方で堪能したため、後方が全く分からなかったけれど、
雨宿りや、ふと見に来た馬骨以外のお客様たちはどんな様子だったのだろう……。


【3】ヒラサワファンについて
毎度言われるけど今回も出た、ヒラサワファン怖い説。
あの、もう、仕方ないです。宗教・教祖と言われても。
それは、平沢さんがその人の考え方や行動にまで影響を与えていると感じるから。

楽曲の個性もそうですが、他者に迎合しない・自分で判断するという考え方、
自分が正しいと感じた道を・自分で選択して・ぐんぐん進んでいく姿、
そういうところに憧れを持ち、感化される人が多いと感じるからです。
それは教祖になるであろう。

そして毎日21:00きっかりにあらわれるtwitterのゆるふわドジっ子さと、
ライブでの神々しい姿とのギャップ。音楽活動40周年の歴史や知識の広さ。
人としてとても魅力のある人だから、音楽だけではなく、個人に興味を持ち、
結果として全部見たい、知りたいと思ってしまう流れは全く不自然ではない。
こんなことを書くと改めて宗教のようだけれど……。

要するに沼。平沢さん一人の歴史がもう底なし沼。
これを知った、もっと知りたい、そういう積み重ねが馬骨に仕立て上げていくのだと
思うので、知らないことがある以上、抜け出せなくなるのですよね。

重ねてあの独特の声と電子ドラッグな楽曲。
ハマる人はとことんハマるのも、仕方なしと思っています。
でもちゃんと(?)、ハマらない人はハマらないということもわかってる(つもり)。

私の言い分なので、他の人はどうか知らない(最後に投げる)。


【4】準備・荷物・フジロック所感
たまさか雨には降られず、良い状態で過ごすことができた。
ただし、軽い気持ちで「日焼けしてもイイや」って思ったことを殴りたい。
軽い熱中症で頭痛に見舞われたし顔がひりひりパンパンに。甘く見てはいけない。

あと匂いがちょっと辛かった。
立ち並ぶトイレ、Green Stageのぐちゃぐちゃの地面から立ち上る堆肥臭さ、
アルコールを摂取した人から発せられる匂い。
温度・湿度・体調・匂い、掛け算されますからね。
体調管理はしっかりね(自分へのいましめ)

◆フジロックのために準備したもの(★は今回役立ったもの)
・防水リュック25L(雨降らないので効果は不明)
・ポンチョ(雨降らないので効果は不明)
★スマホ防水ケース(首から下げられるの良い)
★防水トレッキングシューズ(靴擦れ無し、翌日の筋肉痛も軽減できた)
★簡易椅子(足を解放できるの大事)
★アルコール除菌シート(トイレには手洗い場がない)
・リフレッシュシート
★ICカード(支払い便利。私の場合5,000円あれば十分。)
★タオル(会人なりきりタオル。帽子代わりにもなる。今回助けられた!!!)
・虫よけスプレー(血がまずいのか、刺されなかったし蚊を見なかった)

◆あると便利
・帽子(日よけ大事)
・マスク(匂い対策)
・ポケット付き服orコサッシュorウエストポーチ
 (ICカード入れるからファスナー付きが吉)
・濡らす用のハンドタオル(プラス日陰で休憩を取る。水を飲む)

◆その他
・おんもに慣れていない場合は酒がまん(熱中症・頭痛・トイレ行く回数軽減)
・臨むなら少しでも体力増強に努める(と楽しめる時間が多くなる)
・水、ポカリは会場で売ってるので用意しなくてOK
・新幹線は指定取らなくてOK(日による。そして越後湯沢~新潟在住限定)
・パンフレットだけなら越後湯沢駅でも売ってる
・Tシャツ欲しいなら会場入りする前に即買う(会場入ると物販に戻るのが面倒)
・越後湯沢駅近くのホテルを取るのが吉(駅までシャトルバス出てる)


来年も行くかどうかわからないけど、覚書もかねて残しておきます。
見ていただいた方のお役に立てればこれ幸いでございます。

ありがとうございました。






2018年9月15日土曜日

回=回 大阪2日目 @ZEPPなんば


印象に残ったところをぽろぽろ書いておく。

Zebra
まさか、ライブでこの曲を聴けるなんて。
第一声のゼッブラーーー!で込み上げてしょっぱなから号泣してしまった。
エナジーワークスから入ったわたしは当初ソロばかり聴いていて、P-MODELは
歴史が長すぎてどこから聴いていいやらという感じだった。
YouTubeで出会ったERROR OF UNIVERSEのZebra、あの第一声に魅かれてP-MODELを
聴き始めたと言っても過言ではない。
あの声を生で受けたら、そりゃ涙出るよ。

幽霊飛行機
ギターのリフの振り(回文か)が良い。
HYBRID PHONONのときはストイックにかっこよくキメる感じだったが、今回は
白会人の風貌と動きも手伝って、全体的に茶目っ気がある。
ヒラサワパークというか、うまく説明できないけど、会人のいるタイムライン(物語)へ
ようこそ的なイメージがあって、この曲はそれをいちばん表していると思う。
SSHOさんとのかけあいの後、歌い出しが分からなくなり暫くずれて歌っていて、
周りのみんなが教えるように口パクしていたのがほほえましかった。
CDクウォリティの歌唱力だから、こういうのがあると生で歌ってる!と感じる。

OPUS
白会人のヘドバンが印象的。幽霊でも書いたけれどタイムライン(物語)に入り込んだ
と感じる要素の強い曲。今敏監督のOPUSのために作られた曲というのが良くわかる。
現実と虚構の境目があいまいになる。オーパス!オーパス!
平沢さんの曲は、というか今回のアルバムで実感したけれど、テンポがドンピシャ。
重力を感じる、心地よくも悪くも。それが現実の決め手かもしれない。

Timelineの東
イントロで感動で崩れ落ちそうになる曲があるが、これはそのうちの一曲。
始まった瞬間にああーこれ来たかーとまたもや涙。
今回はギター擦り付け奏法も「みーちーをひがしーへ」の後のギターくるっ(縦)もなし。
しかしギターくるっが身についているためか、リズムを取りやすいためか、
くるっのタイミングで後ろに反る振り。
もしかしてSSHOさんがつられていないか?と思ったけどダイジョブだった。。

それゆけ!Halycon
1日目もやったけどもシンセソロでワンフレーズの美術館。
ソロ部分は実曲よりも長い尺を取ってあるね(違うかな)。
平沢さんがソロを弾くTAZZを見守っていたのが印象的。
実は物販で並んでいるときにリハーサルの音が漏れていて、ちょうどこのときだった。
今日も美術館ある、と確信したとき。ふふふ。
余談だが、宅オ勢の間で「ボヤ騒ぎ」とあったのが面白かった。

白く巨大で
MCで、1日目は
「白会人は大きいというもっぱらの噂にちなんで、『ではないですが』、白く巨大で」
と言っていたのに、2日目は「ちなんで、白く巨大で」と言っていた。
ぜったいついったのTL覗いてるよな。と思った。
バックにパラコザ映像流れて感慨深い。
この曲だったか忘れたが、PEVO1号さんとSSHOさんが同時にいたとき、
似てるなって思いました(←)

アンコールの曲の後、1日目のことがあったのでコールは続いたが、終わってしまった。
曲と曲のあいま、ふぅふぅ呼吸が聞こえていたのでキッツイのかなと感じていたし、
白く巨大でのとき何回かふうーと呼吸を整えるところもあったりで、今回は
大事を取って二度目のアンコールはしなかったのかなと思った。
無理はしないでほしいけれど。「アンコールはやらないとゆっただろう」とか言いに
出てくれるかなと期待した私がいた。

今回のライブは今までの中で最高だった。
といっても毎度毎度、平沢さんは最高を更新してくるので常に最新が最高。
さいごに「また会いましょう」と言ってくれたのもうれしかった。

また、会いましょう。

さいごに
これを書くにあたってYouTubeでエラユニZebraを観てきた。
やっぱりとても良かったけれど、今回のライブのほうがますますのびやかで
低音が深くなっていて、とんでもない人だと改めて思った。

◆セットリスト
01.Zebra
02.Big Brother
03.幽霊飛行機
04.TRAVELATOR
05.回=回
06.遮眼大師
07.無頭騎士の伝言
08.排時光
09.OPUS
10.亜呼吸ユリア
11.PLANET-HOME
12.ECHO-233
13.Timelineの東
14.Gipnoza
15.それゆけ!Halycon
16.HUMAN-LE
EN1.白く巨大で
EN2.109号区の氾濫

追記
初日、ステージ上がたいへん暑く水浴びしていた模様ですが、2日目には扇風機が設置されました。これにより、しゃがんだときに前髪がたなびいていたことをご報告いたします。





2018年9月14日金曜日

回=回 大阪初日 @宅オ

平日仕事のため在宅オーディエンス。
とはいえ、年々クウォリティの上がる音声での配信に感謝しかない。

今回、レーザーハープがなかったことにまず驚いた。
高出力のレーザーが一台壊れて、取り寄せているが難しいって仰ってたことと関係ある?
それとも飽きたとか、よりP-MODELらしさを狙ったとか?

01.OH MAMA!
まさかこの曲から始まるとは。うおーっまじか!と言ってしまった。
核Pオリジナルもソロも好きだけれどやっぱりP-MODELの曲をやってくれると昂る。
初日の1曲目だからか、音が取りづらそうな印象。
BSPでもお客さんが入ると途端に音のバランスが変わると仰っていたし。

02.гипноза
白会人、ソファにどっかりと座って両腕を上げるポーズが印象的。

03.アンチビストロン
核Pの代表曲の一つと思う。ポップな感じを受けるが実は歌詞は風刺ってるし、
ギターは男前だしで、P-MODELだなあと思う。
ポポポポポポポポポポポポドゥン の会人の動きが可愛らしい。
ポポポポのときは首を左右に傾げ、ドゥンでしゃがむ。

04.(出囃子)TRAVELATOR
音階のせいで勝手にテクノインド風味と思っている。
イントロのギターのリフ、マイナスのライブにゲスト参加されたときのギターソロを思い出す。繰り返すのがかっこいい。
このとき宅オ側ではノイズが入ってしまったが、それも味だったなあ。

05.(出囃子)幽霊飛行機
3人の揃いのポーズが良い。シンクロポーズと言えばパラコザ、ハイノンだけどそこまでストイックでなく、Pevoのライブでキメポーズした時を思い出した。なぜだろうー(←)
サビのメロディは爽やかで、タイトルのわりに上空初期値みたい。
個人的にマンドレ+P-MODEL(解凍)+核P+平沢ソロが全部入っている曲だと感じた。

06.(出囃子)HUMAN-LE
浄化曲。エンディング感。エンディング感の曲も結構多いよね。
フレーズ繰り返し、今回のアルバムに多い。
この曲もイントロと風を打ちのところとか。これが回なのか。
明日より遠く~過去より遠くのところが好き。

07.回=回
のど休めかと思いきや歌った(実は次にフルヘに行くと思っていた)。
やっぱりギター好きなんじゃん。シンプルだからこそ平沢さんの声圧を感じられる曲。

08.(出囃子)無頭騎士の伝言
出だしの「ぅあさー!」がライブぽかった。高音の声が美しい。
なんでか昭和歌謡ぽさを覚える。

09.109号区の氾濫
松と目くばせギターかけあい。こういうのを見るともうP-MODELじゃんと思う。

10.(出囃子)OPUS
音階よく知らないけれど、レラ抜き?日本音階?沖縄音階ぽいと思った。
アルバムの中で一番メロディーが予測できなかったがなぜかなつかしさを感じる。
大きい、深い、重い、不穏、えぐられる。会人ヘドバン。
全体的にそうだけど、テンポが秀逸。すべてにおいて最適なテンポだと思う。

11.亜呼吸ユリア
機械が喋っているようなうらぶれた音からはじまる。
広場で2、アンチモネシア、Gemini2とかでも使われている音?
中井さんのメロディーを思い出したんだよね。
松田さんが仰っていた、誰かの影響を受けて新しいものを作っているという感じがした。

12.(出囃子)ECHO-233
出囃子で水飲む飲む。相当に暑かったようだ。ギター擦り付け奏法再び。
ゆったりメロディにチャカチャカした細かいリズムを刻んでる曲が大好きで、
癖にもろに刺さった。達人の山とかもそう。
ギターも高音の声も囁き声も、個人的に好きなものがつまった曲。

13.巡航プシクラオン
Phantom Notesより、「パッポン通りの美術館、カトゥーイ・バー」を思い起こす。
間奏のギターアレンジが好き。

14.遮眼大師
これもザ・核P曲。周囲皆窮鼠で音程が変わるところでバックの炎が赤から青へ。
人格が変わるところも核Pぽい。
マントラ打つ平沢さんむちゃくちゃかっこよかった。ライトがまぶしい。

15.Big Brother
罪と知るべし、の後の振りのカッコよさよ。

16.(出囃子)PLANET-HOME
平沢さんのギターを見てるTAZZかわいい。おもちゃみたいな動きのSSHOかわいい。
曲終わりで「ありがと」と手を上げる平沢さん。

MC
「お足元の悪い中お集まりいただきありがとうございます」
「あってはいけないことですが、追加公演を決めました。そこ(上手)で多数決で。」
「喜んでいるけど、入れなかった人のためにやるんだよ、わかる?」
言い聞かせる様が先生のよう。

「白会人を紹介します。黒会人とは違う人材です。」

「白会人は大きいというもっぱらの噂にちなんでではないですが、白く巨大で。」
(twitterの一部で流行した「TAZZ大陸」、これを見ていらしたんだろうな笑)

EN1.白く巨大で

EN2.それ行け!Halycon
松と目くばせ。途中で美術館ワンフレーズ。
twitterで「ボヤ騒ぎ」とあったので笑ってしまった。

MC2
(まさかの2度目のアンコール!に対して)
「えー、新人なので媚を売りました。次回はないと思え。」
(えー!)「やかましい」

EN3.アンチモネシア
ギターソロがやさしい。

「ありがとう。またこんど。」

いつもは言わない「またこんど」に会場もTLもざわつく。
2日目は会場に観に行きます。楽しみ!


追記
後のtwitterにて、ステージ上暑く、水を襟元から服の中へ流し込んでいたことが判明。





2018年7月21日土曜日

消えていくなら朝 @新国立劇場

◆あらすじ(公式サイトより)
家族と疎遠の作家である定男は、五年ぶりに帰省する。
作家として成功をおさめている定男であったが、誰もその話に触れようとしない。
むしろその話を避けている。家族は定男の仕事に良い印象を持っていないのだ。
定男は切り出す。

「......今度の新作は、この家族をありのままに描いてみようと思うんだ」

家族とは、仕事とは、表現とは、人生とは、愛とは、幸福とは、親とは、子とは、
様々な議論の火ぶたが切って落とされた。 本音をぶつけあった先、その家族に
何が起こるのか。
何が残るのか。


◆感想
観ていて苦しかったお芝居。
久しぶりにあう父子のぎくしゃくした会話も。
「家族だからこそ心にしまっていたこと」を吐き出しあうシーンも。

「サダオはちゃらんぽらんで、苦労したことがないから~」という家族。
「芝居も見に来たことがないのに、俺が苦労していないとなぜ言える?」とサダオ。

サダオが営業マンである兄に「自分にはできない仕事。尊敬する」というと、
兄は「その言い方、嫌味だな、どうせ馬鹿にしてるんだろ」と反論。

お父さん子だと思っていた妹は、「お父さんが一人でかわいそうだったから、一緒にいた。お兄ちゃんの代わりに私が息子になろうと思った」と告白。
(子供時代、宗教にはまった母は兄をつれまわして宗教活動していたため父は一人…)

「家族だから」こそ他人とは違う気の遣い方をするし、言えないこともある。
一緒に暮らしていたから相手のことを知っているつもりでも、実は違う。
「家族だから」こその苛立ちや諦めや、過去にあった「なかったことにしたい」こと。

苦しかったのは、家族の中でのタブーをあんなふうに直接的に言葉にされて、
(エピソードは違えど)私自身と家族とのかかわりが浮き彫りにされたようだったこと。
そしてきっと(うちなら)、吐き出しあっても、それがまた無かったことになって、
なんとなく収まっていくだろうということ。それはそれでタブーが増えるだけだ。

ラストは、ぜんぶ吐き出した後に、これからどうするのか、家族はどう考えるのかを、
観客にゆだねる終わり方だった。
ゆだねられた私の答えは「タブーが増える」だったから、苦しさは消えなかった。
それと、「消えていくなら朝」というタイトルの意味がわからなかった。


◆出演
鈴木浩介/山中 崇/高野志穂/吉野実紗/梅沢昌代/高橋長英





2018年7月20日金曜日

天守物語 -夜叉ヶ池編- @花園神社

出張会議後、飲み会かと思いきやあっさり解散。ぽかっと空いた予定。
慣れない会議にハイヒールで疲れていたため、少し迷ったが、行くことにした。

初めての野外劇。
物語が進むと、外の空気が相乗効果を生み、物語の中にいるような感覚になった。

お花釣りや亀姫様登場のシーンで風がふくと、あ、私もこの場面にいる、と思う。
車のライトが雷のような効果を生む。
幕が風に揺れると、妖しさがよりいっそう際立つ。
特に天守閣の、あの色をおさえた幕は、何か居そうで涼しげで、なんども目をやった。

お話は、みっつの物語が組み合わさっていた。
天守物語と、夜叉ヶ池と、現代(鏡花の時代)と。
はじめに母子が出てきたときは、?がいっぱいだったけれど、あんな風にリンク
するのかと、加納さんならではの演出だと思った。

そしてラストの仕掛けにびっくり。
舞台そでから客席の後ろから、洪水に見立てたおおきな幕が舞台上へと押し寄せる。
そして崩れる天守閣。圧巻。

天守物語と、夜叉ヶ池のもとのあらすじが思い出せなくなるほどの構成、
みっつの話を行き来するのに、観ていてすんなり入ってくるストーリーは
あっぱれでございました。

暑かったけれども、たまに吹く夜風が心地よく。
お隣さんが団扇で扇ぐ風も、意図せずおすそ分けいただいてしまった。
お祭り気分も味わえて、素晴らしい時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。


◆出演
松本紀保、原川浩明、粟野史浩、田渕正博、木下藤次郎、鳥越勇作、趙徳安
井上カオリ、岡村多加江、浜野まどか、瀬山英里子、山中淳恵、犬飼淳治
一色洋平、時津真人、佐久間淳也、鈴木幸二、斉藤健、青野竜平、岩渕敏司
永栄正顕、町屋圭佑、舟山利也、外波山流太、中島愛子、碧さやか、牧野未幸
鈴木彩乃、天羽亜衣、下元史朗、水野あや、外波山文明





2018年6月30日土曜日

安楽病棟@本多劇場

認知症病棟が舞台のお芝居。原作は、帚木蓬生さんの同名の小説。

認知症病棟に入院する患者さんの自分語りと、病棟での日常生活が流れていく。
家族に認知症を患った者がいないのだが、そんな私にもリアルに感じられた。
エピソードもそうだけれど、全員の振る舞いが、演技と思えないほどだった。

テーマは、認知症における終末期医療。そして尊厳死。
海外では、安楽死をみとめている国もあるが、深く考えたことはなかった。

日本では、消極的安楽死(=延命治療を行わない、中断すること)は合法だが
積極的安楽死(=致死量の投薬を行うこと)は違法だ。

劇中に、積極的安楽死と消極的安楽死について問いかける場面がある。

例えば自発呼吸ができない患者の場合、人口呼吸器を付けることで生かされる。
消極的安楽死は、人工呼吸器を外すこと。すなわち窒息死。
積極的安楽死は、モルヒネ等を致死量投薬することで、眠るように逝ける。

患者にとってどちらが良いだろうか?と。

私自身は漠然と、人の世話になるくらいならいっそ、と考えているが
では自分以外の家族が積極的安楽死を希望するなら同意するか?と問われれば、
その時になってみないとわからないけれど、生きられるのならば、生きていて
ほしいと言うかもしれない。勝手なもんだ。

医療の発達によって、たくさんの命を救えるようになった。
それは純粋に良いことだと思うけれど、同じだけ、死についても考えなければ。
高齢化社会が進む日本、いつか安楽死が合法化されるのだろうか。

余談。オーストラリアでは「Sarco(サルコ)」という自殺幇助マシンが発表
されたそうだが、日本での導入はないな。そのまま棺として利用するらしいし。


◆出演
児玉謙次、名取幸政、山野史人、永幡洋、長克巳、嶋崎伸夫、堀部隆一、
石母田史朗、鹿野宗健、岩倉高子、阪上和子、藤夏子、山本与志恵、吉本選江、
五味多恵子、野沢由香里、津田真澄、小暮智美、井口恭子、世奈、橋本菜摘





2018年5月5日土曜日

1984@新国立劇場

小説では読んでいた1984年。
1年前に、お芝居として上演されると知ってからずーっと心待ちにしていたのだ。


舞台上手の机でノートを広げ、ペンを持つウィンストン・スミス氏、スクリーンにはその手元が映し出されている。
テレスクリーンに隠れて日記を書こうとするあのシーン。
文字で読んでいたものが映像化されていることにまず感動する。

そのまま、1984年のまま展開していくかと思いきや、途中で過去と未来を行き来するような構成になっていた。
途中に1984年という小説について、ディスカッションをしている風景が挟まる。

後でパンフレットを読んで意味が分かった。
小説版の1984年では、巻末に付録としてニュースピークの解説が載っている。
2050年以降に書かれたとされるそれは、1984年という時代を振り返って分析、解説している。
つまり1984年本編は劇中劇ともいえるということ。

何と残念なことに、「付録」の部分を読んでいなかった私。。何ともったいない。
しかし続きを読めると思えば。別角度から見られる楽しみがひとつ増えたということで良しとしよう。

(舞台を観なければずっと気づかなかったかもしれない。いや、だいぶ後になって再読して、ようやくトリックに気付いたかもしれない。それはそれでおもしろそうだけど。)


101号室の描写、血のりがリアルで目を覆いたくなるくらいだったが、一番苦しかったのは迫ってくる舞台で、
時計仕掛けのオレンジみたいに無理やり目を開けられて見せられているような感じだった。


オブライエン役として大杉連さんが起用されていたが、今年2月に隣接次元に漏れてしまった。合掌。



◆出演
井上芳雄 ともさかりえ 森下能幸 宮地雅子 山口翔悟 神農直隆 武子太郎 曽我部洋士 堀元宗一朗青沼くるみ 下澤実礼 本多明鈴日








煙が目にしみる@本多劇場

待合室のようなところに白装束の男性が二人。
会話の内容から、二人はこれから火葬されようとする故人(幽霊)であることがわかる。
偶然同じ斎場となった二人の故人と、その家族のお話。
加藤健一さん演じる桂おばあちゃんがイタコとなって、故人の思いを家族に伝える。

(……こう書くとストーリーを誤解されてしまいそうだ。)
少しボケが入ってきた、ゴシップ好きのお節介おばあちゃんにだけ幽霊の姿が見えるという設定から、
深刻さを笑いに変えながら、テンポよく進行していく。
最後はしっかりと泣かせ、観終わった後は晴れ晴れとして、あたたかい気持ちになるお芝居だった。

本筋とは別に、劇中の細かい設定がお葬式あるあるで、親族あるあるで、どこも一緒だなあと苦笑。
反抗期の娘、帰ってこない息子、父の彼女、発注ミスのお弁当、クセの強い親戚、、、
一見すると必要なさそうな設定がよりリアルに見せるのでしょうね。

家族だからこそ素直になれないことやひみつにしておきたいことはたくさんある。
だからほんとうの生活は誤解ばかりなのかもしれない。
気持ちを伝えたくても、死んでしまってからではもう遅い。でも伝えたい。
そんな希望を代弁してくれるから、このお話が愛されるのだろうと思いました。

今回の公演は13年ぶりの再演だそう。
13年前の公演を観た先輩に教えられて観劇した。
私のはじめての「再演観劇」は、次回公演の花組芝居「天守物語」になりそうだ。


◆出演
加藤健一 / 山本郁子 / 天宮良 / 加藤忍 / 伊東由美子 / 佐伯太輔 / 菊地美香 / 伊原農 / 久留飛雄己 / 吉田芽吹 / 照屋実 / 新井康弘





2017年12月16日土曜日

中野テルヲ Live171216 @高円寺High

テルヲさんライブの楽しみのひとつは、ライブアレンジ。
一曲目から弾きまくるギターに、一気に気分が盛り上がる。

I Swing…に始まり、Legs、構築子、Radio…、いつもよりたくさんギターを弾く
アレンジになっていたように感じた。
カナリアか構築子どちらかで、講義をする大学教授のように見えた一瞬があった。
なんだろう、堂々として語り掛けるようなしぐさ、雰囲気からだろうか。
Radio…では前に出てギター弾いてくれた。艶っぽい。色っぽい。エロい。

そしてデッドエンド羅針[Type IV]のロボットテルヲさん。
初出はいつだろうと遡ってみたら20171217だった。
あれからもう一年、すっかりお馴染みとなりました。
サビで右へ左へちょこちょこと動く様がとてもコミカルで可愛らしい。

テルヲさんのライブパフォーマンスって、まあ当然動きは事前に考えているだろうけど
煽り方?も考えているのだろうか。
というのは、Call Up…でダミーヘッドを客席に向けたのは作戦だったのか?と。
あの時のコールは、今までのテルヲさんライブで経験したことがないくらい
大きく揃った声で、ちょっと面白かった。
客席はダミーヘッドにはマイク及び録音機能があると知っている人たちだものね。

MCはいつも、物販紹介を期待している雰囲気が楽しい。
近頃は物販のこと「買ってください」と直接的だったが、今回は「見てってください」だった。
大晦日のライブは「オールナイトではないらしいです……各自で調べてください」と丸投げ。
大丈夫、みんなのほうが詳しいはず。

毎回、予想や期待を上回るので、好きなライブがどんどん更新されていくテルヲさん。
私は今回が今年のライブ納めだったけれど、来年のライブも期待しています。


◆セットリスト(公式から発表があったら追記修正します)

01.I Swing, You Swing
02.Pilot Run #3
03.デッドエンド羅針 [Type IV]
04.Legs
05.マイ・エイリアン
06.今夜はブギーバック
07.現象界パレット
08.フレーム・バッファ I
09.カナリア
10.構築子
11.Radio Spaceship
12.IDは異邦人
13.ディープ・アーキテクチャ
14.
15.宇宙船
16.Call Up Here
17.Let's Go Skysensor
EN1.Long Distance, Long Time
EN2.虹をみた

※14は、すみません、知らない曲でした。





おまけ。
いつものお団子頭ではなく髪をおろして、マスクもしていたのだけど、
メカノに行ったら店長に「今日はテルヲさんですか?」と言われ。
いつも無言で買ってゆくので覚えていらっしゃらないと思っていたので
ちょっとびっくり、ちょっと嬉しかったです。
「あ、ばれました?」って言えば良かったな……。





2017年11月5日日曜日

文字起こし Back Space Pass 第9曼荼羅編③

(57:19)
大阪・東京と曼荼羅の開催をありがとうございました。
開催時に新しい機材は購入されましたか。
また、機材を購入されたのでしたら、松村舞台監督に報告しましたか。

一部報告しませんでした。
何を買ったというかですね、先ほどお話しましたパッドですね、光るボタンの「スタンド」を、色々なスタンドをアレンジして作ったんですが、これのパーツを買って、私しか組み立て方がわかんないようなものを2本作りまして、いきなり東京で松村監督に「組み立てよ」と言って、叱られたのは私です。
えー、では次行きます。

(58:25)
今回のライブで背後に飾ってあった、大きな曼荼羅版はどなたが作ったものですか。

ちょっとすいません(笑・扇子で顔隠す)。
えーとですね、あのー、これは舞台、美術屋さんです。
「どなた」と言われても、私はちょっと、面識のない方だったと思います。
これらのものは皆、松村舞台監督が手配いたします。

えー次。これもさっき答えちゃったな……。

(59:12)
東京公演の途中、松村舞台監督がレーザーハープ前に登場されていらっしゃいましたが、毎回曲の途中で何をされていらしたのですか。

え?そんなことありました?
えーっと、何だ……そんなことありました?
(リスナーに対して)あったかどうか、答えよ。
……えと、これ時間差があるからな……。

んーと、えーと、松村監督が気にしていたことは知っていました。
つまりですね、レーザーが、ハーフミラーから漏れたレーザーが、TAZZのボタンに当たって、発光しているように見えているのが気になったと。
それを直しに来た、というのは聞いたことありますけれども、それ以外はちょっと覚えていないですね。覚えていないのと、報告を受けておりません。
では次です。

んー……あぁー……こういうのは、そうですねぇ。

(1:00:35)
大阪と東京公演の間に日程の空きがあったのはなぜか。と。

いうことなんですが、ホールが無いんですよ、会場が無いんです。
今、東京中のイベント会場やコンサートホールが、東京オリンピックのために改装中なんですね。で、殆ど無いんです。
で、その無い中で、ライブハウス等、そういうイベント会場、取り合いになっていて、なかなか押さえられないんですよね。
そういう事情であります。以上。

えーっと、それから、次ですね。ウン。

(1:01:36)
「第9曼荼羅」というタイトルの由来について述べよ。

まずですね、第9曼荼羅の特設サイトに行くと、なんか御託並んでますよね。
「数量の意味漂白する」と、いうようなことを書いてたと思います。
つまりですね、私はメジャーではありません。ので、結果論としてステルスメジャーですけれども、私は質的にはメジャーじゃないです。

で、メジャーとメジャーじゃないのはどこで区別付けるかというと、勿論「数」だと思いますね。
支持者というかネームバリューというか、「バリュー」が問題になるんですけれども、そういう、例えば9万とか10万とか「意味ないよ」ということですね。
私は、「フォロアーが10人でも、フォロアーが10万人でも全く変わりありません」というのが、その「数の意味漂白」ということを主張しているわけですね。

で、普通は9万という大きな数字にたどり着くと、何か「やり遂げた」みたいな、やり遂げて、成し遂げたものが称賛されたりとか、力を得たりとか、賛同を得たりとか、つまりそういう評価、ご褒美を受けるようになるじゃないですか。
例えば、じゃ、武道館でやってステータスシンボルみたいなことになったりとか。

で、要するにそういう世俗的な「数量こそ価値」みたいなところと最も遠い「曼荼羅的世界観」、つまりそっからの離脱(「数量こそ価値」からの離脱)というか、(離脱)に繋がるイメージとして「曼荼羅」があって、「9万」という音の響きから、「9曼荼羅」という言葉が浮かんだわけですね。
で、9曼荼羅に「第」を付けると、かっこいい、「第9曼荼羅」っつうと、なんか「第六ポンプ(※)」みたいで、何かの何かみたいだ、ということで、「第9曼荼羅」ということにしました。

※パオロ・バチガルピの小説のタイトル(他著書「ねじまき少女」など)。

で、これを周りの人に伝えたときの反応など、というのは、よく「ヒラサワは宗教っぽい」と言われたりとか……それを「褒めている」ニュアンスとは逆の意味で「宗教っぽい」というニュアンスで語る人がいたりしますけれども、宗教に対するイメージというのがだいぶおかしくなっておりまして、勿論 新興宗教はいけないんですけれども、そういう意味で、そういった偏見とか先入観がない人たちなので、周囲の人たちというのは。
ま「第9曼荼羅」と言ったときに、「九会曼荼羅みたいでかっこいい」とかですね、普通にかっこいいと言っていただけました。ということであります。

あ! ま、いいや。えーっと。

(1:05:57)
前回のBSPで予告されていた、デストロイ中のギターからの撮影をされていたと思いますが、期待されていた乱暴な映像は撮れましたでしょうか。

これ面白い映像が撮れていますね。ちょっとさわりを、お見せしましょうか。
ちょっとさわり、じゃあお見せします(1:06:25)。

とまあ、そういう感じですね。ええ。ま、ジェットコースターみたいな映像ですね。
何回も使えるもんじゃないないなと。

これがですね、会人のSSHOのチェロにも仕掛けてあります。
それからTAZZの、最初バイオリンに仕込んだんですが演奏できないというので、TAZZのボタン類のところにも仕掛けてありますが、果たしてこれ、ぐらぐら揺れていたので、もしかしたら、揺れているがために面白い映像に鳴ってる可能性があります。ということです。
ではまだちょっと、まだ質問はあるので、どんどん行っちゃいましょうね。

(1:07:54)
照明が大変美しかった印象があるのですが、照明というのは師匠がどれぐらい指示を出されるのでしょうか。

通常は、それほど指示と言えるようなものは出しません。
出てきたプランに対して「んーこれは」というようなことを言ったりする場合がたまにあります。
ですが、基本的には照明のチーフが考えたもので行きます。
で、今回はですね、実はちょっと注文がありました。

お気付きの方がいるかどうか、ピンスポットが使われていないんです。
今回はピンスポットを使わないでくれと。で、それを補うように他の証明のアレンジをしてみてくれないかということでお願いしました。
で、結果、すごい美しい照明になったと思います。

なぜ「ピンスポットを使わないでくれ」と言ったかというと、ピンスポットというのは、ライブ中には、お客さんの視線を一点にフォーカスさせるのに非常に有効な効果を持つんですが、これがDVD等になった時には、何かのっぺりした映像になってしまったりするんですね。

で、今回ちょっと、ピンスポットを使わない照明で撮影するとどうなるかというのを見てみたかったのと、それから昔、P-MODELは「照明の色を一切使わないライブ」というのをやっていたんですね。
その頃にもピンスポットを使わず、「白照明だけ」と「客席に当てる照明」というのをやってたんですけども、こういう実験的な、ま、ニューウェーブの人たちってそういうことをよくやっていたんですが、そういうものを今回ちょっとやってみてどうなるか、今の、現代の感覚で照明さんがそれをアレンジするとどうなるのかというのをちょっと見てみたかったので、「ピンスポットを使わないでください」と。
ま補足的に使われている部分もありますけれども、基本的には使われていないということでございます。

(1:10:30)
最終日の公演後は、すぐにホテルへ戻られたのですか。打ち上げなどはされたのでしょうか。

えと、私は打ち上げをやりません。
バンドさんの中には打ち上げが楽しくてライブをやるという方々もいらっしゃるようですが、私は打ち上げをやりません。

勿論、あのね、これわかんないですね、実際、正直訊いてみないとわかんないんですけど、スタッフたちには「どうぞやってきてください」っつって、やってきてもらいます。
しかも中日打ち上げですね。
なんで中日かって言うと、最終日は後片付けに時間がかかるからですね。

で、中日にみんな打ち上げに行くんですが、本当に行きたいかどうか、ちょっと訊いてみないとわかんないですね。
そういう習慣があるからやっているだけなんではないかと、最近うっすらと思うようになりました。

それをやるなら、「じゃこれで飲んできてください」みたいな個人個人に渡していくほうが喜ぶんではないかと、いうようなこともちょっと考えたりもしました。
はい、P-MODEL時代から私は打ち上げはやりません。嫌いなんです。はい。
それから次の質問ですね。

(1:12:16)
TAZZさんのサイレントバイオリンは、純粋にバイオリンとして使用されていたのですか。
それともMIDIコントローラーとして使用されていたのですか。
拙の耳では判断できなかったのでお答えください。ステルス。 と。

えーと、MIDIコントローラーとしては使っておりません。
ただ、私 確認をしておりませんが、あれはオクターバーを使っていたんじゃないかという気はします。つまり1オクターブ下のを出してたんではないかなと。あとで確認してみますが。
それとディレイですね。ディレイマシンを使っておりました。
ですから加工された音には聴こえていたと思います。
では次です。

(1:13:19)
会人の二人には口が無いように見えるのですが、何を食べているんでしょうか。

会人はですね、「モツ煮込み」を食べております。
では次の質問です。

(1:13:37)
毎回開演前のBGMの選曲を含めライブが楽しみです。
今回の曲はどなたのチョイスでしょうか。

ライブの客入れ時の選曲は、我が社の、客入れBGM DJ「湯本さん」がやっております。
これ非常に評判が良くて、私も袖で聴いていて「あ、いいなぁ」と思う曲が多いですよね。
で、これ聴きたいですよね。
例えば、湯本さんの選曲の曲が流れているカフェとかあったらいいですよね。
そんなこと、できたらいいですね。
ということで、次です。

(1:14:42)
9万打行かなかった場合はどうするんですか。

これはもうさっきお答えしました。
行くまでやるんです。
手を変え品を変え、あらゆる曲を、二度も三度も演奏してやると、いうことです。

(1:15:05)
もう会人さんたちには会えないんですか。寂しすぎます。なんとかしてください。

そうですね、会人、また何かの機会にお願いしたいと思いますね。
ただ会人、あのパフォーマンスが面白いので、ヒラサワ食われてしまうという危機感があります。
とにかくそれでも会人は面白いのでぜひ何かの機会にまたお願いたいと思います。
ということでですね、ちょっとじゃあ、新しい質問などを見つつですね……。

(1:16:00)
グッズのラップパンツをなんで履いたんだ。 という質問がありましたね。

これ、誤解です。
「なんで私の衣装をグッズで売ったんだ」というのが正しい論理です。
つまりですね、私の衣装を作っているときに、作っている人が「これだと量産できますね」みたいなことを物販企画部長に言っちゃったんですね。
で、ここぞとばかりに量産してしまったというのが物販です。
ですから逆です。私が物販を履いたんじゃなくて、私の衣装を物販にされたんです。
やめてください。ということですね。

それから……。あー。

(1:17:10)
今回のライブで機材トラブルはなかったように見えるが。

という質問がありますが、無くはないと思いますよ。
色々あったと思いますが、気が付かなければそれまで、ということですね。

それから……ちょっと待ってくださいね。新しい質問を拾ってみますが……
なんかあまりないですね。

(1:18:09)
新しいギター ですね。

新しいギターを調達しました。
これはですね、次のアルバムの発表とビジュアル関係の公開と同時に公開されると思います。
で、まだ出来上がってこないんですけれども、もうすぐ納品らしいんですけれども。
そこでチェックをして、良ければそのまま行くという感じです。


Outro

ということで、そろそろ質問も終わり、あ、まだまだあるんですが、大体重複していたりとかですね、あんまり答えたくないなぁとか、どうやって答えていいかわかんない、みたいなものなので、そろそろ終わりにしますかね。

ということで今回は何の事故もなく、この放送、実に単純なことしかやっていないんですが、こういうに限って何だかわかんない事故が起きるのが常々で、今回は無事、何も起こってないと思います。
無事、このまま終わることができると思います。

この度もご視聴いただきまして、ありがとうございました。
それでは、また次回のBack Space Passまで、ごきげんよう。





文字起こし Back Space Pass 第9曼荼羅編②

質問コーナー(23:37~)

えー、じゃ、そろそろ皆さんの質問にお答えしていくことにします。
あの、大阪に関しては、沢山質問いただきました。
11年ぶりに来てどうだったのかとか、次はやってくれるのかとかっていう。
それはもう冒頭でお答えした通りで、その質問は省かせていただきます。
それで、質問はランダムにピックアップしておりまして、もしかしたら同じ質問者の質問を取り上げてしまうかもしれませんがご容赦ください。
いちいち調べずにピックアップしてしまっています。
ということで、じゃ、始めましょう。
では質問です。

(24:29)
打数センサーは何を使用しているのでしょうか。システム構成も知りたいです。ということです。

まず打数センサーは、スネアドラムにだけ付いております。
スネアドラムが何発叩かれたか、ということをカウントするシステムなんですが、まず、スネアドラムの淵にこういうものが付いております(25:01)。
この左上の方にに見える、これがセンサーですね。

昔はこういうものが無くて、ちょうどP-MODELがドラムの音をいったんシンセサイザーに通して、それを加工して出すというのをライブでやっていた頃にはこんないいものはなくて、マイクを使ってやっていたんですが、これが、非常に細かくキャッチしてくれます。

例えば強い音……マイクですと、例えば強い音は拾うんだけれども弱い音はカウントしないというような状況が生じてしまいがちなんですが、ドラム用のセンサーですので、これが強い音から弱い音まで拾ってくれると。非常に解像度高く拾ってくれると。

ですから、例えばスネアを思いっきりバン!と叩いたあとに、細かくこう縮緬状にダラララとやってるような時でもカウントしています。
で、この音が他の音にかき消されて聞こえていない場合でもカウントしてしまいますので、「叩いていないのにカウントしているんじゃないか」と思った方がいるようですが、質問にもありましたけれども、そうではなくて、非常に細かく小さな音、ほとんどスティックが触れる程度のものまで拾っています。

これで拾った音を、ここに送ります(26:58)。
これは、いわゆるドラムシンセサイ……なんて言うんでしょうかねコレ、デジタルドラムってい言うんでしょうかね。
この中には何百種類というドラムの音が仕込まれていまして、ライブでシンセドラムの音とか、生ドラムの音とか、生ドラムも色んな場所で叩いた音とか出すことができるんですが実は、今回はその音は使用せず、この機械を通すことによって、音声信号だったものをMIDI信号に変換するということをやっています。

MIDI信号に変換されたものは、USBを通してコンピューターの中に送って処理することができます。
これはオーディオ信号ではなく、デジタル化されたMIDI信号ですので、その後、色々扱いやすいという状況になります。
そうしておいて、スタッフが作ったプログラムですね、打数カウントプログラムに送られて、そのプログラムから、今度はLEDモニターに送られて、会場で表示されるというようなシステムでありました。

ちょうどLEDモニターが、非常にシンプルな、電光掲示板のような演出で使っていましたけれども、実は映像も流せるということで、急遽、東京では映像も、二日目から流しました。
というのが、打数センサーのシステムです。

今ちょっと言ってしまったので続けて全部お話しますけれども、東京では途中で映像を流しました。
あの映像というのは、大阪で発売されました、メモリアルカードを買うとダウンロードできるコンテンツの中に入っていたムービーです。
それで、「打数モジュールの使用許可申請をしているところ」を東京では上映いたしました。

なぜかと言いますと、東京のステージは非常に暑くて、上領さんを休ませなければいけないと。
上領さんは肝が据わってますから、一日目で大変だったということを告白してますけれども、泣き言を言ったわけではないです。
でも私の判断で、これはちょっと休ませなければいけないと、いうことで、映像を挟むことにしました。ということです。
では次の質問に行きたいと思います。

(30:39)
これまでのライブでは、ヒラサワ的世界観という、どの文化にも属さない唯一無二の雰囲気を感じておりました。
しかし今回のライブは松(SSHO)や鶴(TAZZ)などの、袴的衣装などの、随所に日本的世界観、「和」を感じました。
これには何か師匠の中で心境の変化があったんでしょうか。

というご質問ですが、変化はございません。
和というか、日本的世界観というのは、直接その意匠を採用するまでもなく、現代的な意匠というかデザインというか、そういうものに託して、機能させるということはずっとやってきていることでありまして、特に殊更、今回「そうだ、ジャパンで行こう。」みたいな発想はございませんでした。ということです。

かつですね、上領さんが袴を持っているという。
これ、あの、袴を持っているドラマーはいないと思いますけれども。
上領さんの方から「袴はどうですか?」という提案がありまして、「ぜひやってください」ということでお願いしました。

で、それによって、実は上領さんがステージに登場する経路も変更しました。
最短距離でドラムの位置まで行ってもらうつもりだったんですが、反対側から出て、ステージを横断してドラムまで行くという、その間に袴姿を見ていただくという演出に変更しております。
上領さん、袴姿、非常に似合ったと思います。ということです。
では次の質問です。

(32:42)
すっかり今回のライブの顔となった会人のお二人ですが、あのキャラクターの発想はどこから来たものでしょうか。
またパフォーマンスにはどのようにお感じでしたでしょうか。
演奏、我々の反応の両側面から伺います。

ということなんですが、まず、他の質問にもありましたけれども、会人はスーツ姿でマスクを付けていて暑くないのか、それから視界が悪くないのか、というご質問が他でもありましたけれども、まずあれは「マスク」ではなく「顔」です。
「会人」という種類の亞人間というか、会人の方が我々人類よりも進化しているんですけれども、あれは、顔です。
ということで、「キャラクター」ではなく「会人」です。
パフォーマンスは、会人の文化から自然に湧き出る身体の動きとか、そういうものに準拠しております。
もし街で会人に会ったら、ぜひとも、そのように思い出していただいて、「お面を外してください」とか、そういう失礼なことを言わないようにお願いいたします。
では次の質問です。

(34:27)
新譜、第9曼荼羅について平沢さんはどのようなイメージをもって制作されたのかお聞きしたいです。

新譜というのは「第9曼荼羅」という、配信された曲のことですよね?
この曲についての質問も他にありましたね。
なぜ、「サイボーグ」の逆回しが入っているのかとか、その辺にどんな意図があるのかとか、っていう質問にも併せてお答えしようと思いますが。

まず、そうですね、「円環」というか「始まりは終わり…は始まり」みたいな曼荼羅的な円環という意味で、最初の第9曼荼羅スタート時点の曲を最後に、第9曼荼羅で繋ぐと。
つまり逆回しですので、お尻と頭を繋ぐと。ウロボロスですね。要するに。
ウロボロスのような、と、円環というか円形というか、曼荼羅的な発想ですね。
そのようなイメージから作られています。

それから、「90,000打に達したのに何でめでたい感じがしないんだ」という質問もありましたけれども、これはですね、この曲の作り方というのは、私の意図というよりも、そこに与えられた状況とか素材とかいうものから必然的にできるもので、私の意図はあまり介入しないという考えのもとに作られています。
ですから、まず「サイボーグ」のボーカルトラックがあり、これの逆回しと編集から始まるわけです。
そこから可能な構成を積み重ねてゆく結果、あのような状況、あのようなムードを持った楽曲になったということであります。
以上、第9曼荼羅についてでした。
それでは次ですね。

(37:32)
打数に関してはドラマーにお任せだったと平野さんがツイートされていましたが、演奏の内容自体に関して、上領さんに何か指示したことはあったのでしょうか。

これ質問が二つになっていますね。
要は、上領さんに演奏に関して何か注文を出したのかどうかということだと思いますが……、あ、平野さんというのはウチのスタッフですね、はい。女子社員ですね、はい。

上領さんにはですね、ほとんどと言っていいほど指示は出していません。
「上領さんなので、任せておけば大丈夫」ということで。
ま、二人で「ここはこうしたほうがいいかもね」みたいなことはありましたけれども、とにかく上領さんありき、ということでした。
では次行きます。

(38:47)
楽屋では何を飲みますか。温かいお茶を淹れますか。何種類かありますか。

楽屋ではですね、ケータリングのお姉さんというのが廊下にいるんですよ。
廊下に行くとですね、日本茶、それからコーヒー紅茶、それから冷たい飲み物、コーラ、ウーロン茶、ポカリスエット、水、等が置いてあるんです。
そういうところで、だいたいコーヒーか、日本茶、いただいております。
以上です。エー次。

(39:46)
イヤーモニターにはどんな音声が流れているのですか。

イヤーモニターにはまず楽曲のオケが聞こえてますね。
それと「クリック」と言って、カッカッカッカッという音がずーっと流れています。

で、例えばですね、何故それが流れているかというと、オケは打ち込みでされているものなので、バンド演奏とは違うんですね。
バンド演奏というのは、例えば途中でブレイクして音が途切れたとして、次に始まる時にはメンバー同士の呼吸というか、そういうものによって、次の「ジャーン」が出せるんです。

ところが、打ち込まれたオケというのは私の呼吸なんか知ったこっちゃないですので、勝手に行っちゃうわけですね。
私はそっちに合わせなきゃいけないので、無音の状態でもクリックが鳴っていないとリズムを外してしまうと。

にもかかわらず、東京かどっかで歌の出だし間違えたのは何故かというのはまた別の問題であります。という感じです。

それと、緊急時の指示音声というものが、イヤーモニターから流れてきます。
それで、そうですね、別の質問の中に「観客が歌を歌ったり、手拍子を取ったりしてやりづらくないか」というのがあったんですが、聞こえておりません。

会場の音をイヤーモニターに返すことは可能です。
で、観客がワーッと騒げばそれだけこっちもテンション上がるみたいなことは可能なんですが、そんなことするとね、やりにくいんですよ。

まして観客が、よく皆さん経験してるというか、DVDなんかを他のバンドでも観ててもわかると思うんですが、客が手拍子をし始めると、最初のうちは演奏と合っているんですけどだんだんずれてきますよね。
で、ずれてきてるのに、乱れないと。

これはなぜかというとバンドさんには聞こえていないんです。
聞こえてたらとにかく多勢に無勢ですから、素人のリズムに巻き込まれてはならないという事情がございますので、客の音は聞こえておりません。
ですから「ヒラサワ」と呼んでも聞こえません。
ということです。

それからついでにお話ししましょう。
勿論皆さんが歌っている歌声は聞こえません。
で、なんかあの、「客が歌って嬉しかったか」みたいなこと、なんか恍惚と、感極まってるんじゃないかみたいな見方をされている質問もありましたけれども、そんなことはございません。
ま、「勝手に歌うなら歌え」と。別に、止めもしないし催促もしない。
「好きにやればいいじゃない」という感じでございます。
次です。

(44:06)
以前のEVOと今回のケミカルコーティングのEVOでは、色の他に仕様や音色などの違いはありますか。

今回はですね、いつも使っているEVOは、東京では別バージョンを……ア東京じゃねぇや大阪もそうだったのか、新しいバージョンを使ってます。
化学薬品で表面を磨き上げたみたいな、ツルツルの感じですね。
前のバージョンはアルミのヘアライン仕上げみたいな、ちょっとこう霞んだ、いわゆるアルミっぽいものだったんですが、今回はもっとピカピカに磨かれたように見えるものでした。

これは、音は同じです。あの、オリジナルのEVOと同じです。
私が普段使っているのはオリジナルのEVOとはちょっと仕様が違いまして、若干音も……ま、かなり音も違うんですが、今回はノーマルの仕様のまま使いました。
ということで、市販されているものと同じです。今回は。
で次ですね。

これは「サイボーグ」に関する……あ、同じ……これはもう答えちゃいましたね。

(46:07)
ライブ前から東京入りされているので、しばらくは普段と違う生活スタイルになると思うのですが、これだけは欠かせないという日課などはありますか。

あります。呼吸法ですね。呼吸法はどこに行ってもやります。
呼吸法と自律訓練法というか、呼吸法から繋がっていく瞑想法なんですけれども、これは、地球上のどこにいてもやります。
はい、以上です。

(46:50)
会人の二人が操作していたパネルはなんという楽器なのでしょうか。

はい、えーと、まず、こういうものですね(47:00)。
これはTAZZが使っていたもので、これは「Launchpad」というものです。
それからSSHOが使っていたのは「Push 2」と言われているもので、ほぼ同じものです。

これはどういうものかというとですね、要は鍵盤、普通のキーボードの白黒鍵盤をこういうふうに格子状に並べただけのものですね。

特に新しいものではなくてですね、まぁ、「光る」という意味においてちょっと新しいかもしれないのと、それから、打ち込み用のキーボードというのは音楽的な、その「楽音」だけではなくて、様々な命令を送受信できるようになっているんです。
それの「四角い形版」というのがこういうものです。

要はDJとかですね、それから最近のダブステップみたいな、人前で恥ずかしい行為を、つか、人に見せるべきではなさそうな、ウチで作ってきたものを順番変えて出す、みたいな。で、「ライブです。」みたいな。

……すいません、つまりこういうのってね、80年代にさんざんやられていて、もう終了しているんですけど、こういう機材が出てきてしまったもんだから、みんな、なんか「新しいものに触れている喜び」みたいなものでやってるんですけど、別に新しくないです。
で。そういうもんです。
ですから例えばこういうものの利点というのは、四角いので場所が(を)とらない、それから光るので、見て面白い、というところでしょうかね。

で。今回はTAZZとSSHOは二人ともこれを使いました。
これを使って何を鳴らしているかというと、ま、音源を鳴らしているんですけれども、ここからエイブルトンライブという、いわゆるライブ定番みたいな、ミュージシャン皆使ってるみたいな……今日はちょっと毒舌に差し掛かっておりますので、セーブしたいと思います。
というものです。よろしいでしょうか。

それから……次の質問です。これもさっき答えちゃったな……

(50:23)
今回レーザーハープのレーザーが客席に向かって照射されていなかったのはなぜか。

ということなんですが、これ事情がありまして。
ある日を境にレーザーハープのグリーンのレーザーが弱くなっているのにお気づきだと思います。
最初はレーザーの発信機、レーザーのモジュールをですね、2本使って1本のレーザービームを出していました。
ですから非常に高出力で、明るいんですね。

ところが、モジュールが、発信機が1個壊れてしまって、半分でやっているんです。
で、半分だとちょっと弱くてですね、客席のほうに照射するにはちょっと足りないと。

ではなぜ、もう一本修理するなり追加するなりしないのかというとですね、色々ヤバイ事情がありまして、つまり、高出力のレーザーというのは輸入できたりできなかったりする際どいところにあるんですね。

それをメーカー側がなんか「仕様を偽って税関をすり抜けてしまう」みたいなこともあったりなかったりして、そのような事情があってですね、なかなか調達できないという事情です。

でもあれは、確かに私も綺麗なものだと思いますし、ただ、毎回出てても面白くないなぁ、というのもありますけれども、またできれば復活させたいなとは思っております。

えーでは次、行きますが、まだこれ選んだものの半分も行ってないんじゃないかな。
えーと、今どこまで行ったっけ。

(52:57)
今回の公演は「ホログラムを登る男」と「白虎夜」を軸に組まれたセットリストでしたが、この二つのアルバムからの選曲が多かったこと、また、東京・大阪での選曲が同じであったことにはどのような意図があったのでしょうか。

多分今までの話で想像できたんではないかと思いますが、「打数のプランを立てやすいから」です。
全く同じ曲であれば計算しやすい、ということです。
それからですね、まず選曲につては、連打をする曲を取り入れている。
「サイボーグ」とかですね、「パレード」とかですね。そういうものですね。
打数を稼ぐために連打をする曲を取り入れています。

最初にその連打曲を選曲して、それに馴染みのいいものという選曲をしていった結果が第9曼荼羅のセットリスト内容です。ということでご理解ください。
えーでは次の質問です。

(54:30)
いつも華麗なレーザーハープ裁きですが、今回の第9曼荼羅の曲の中でも、一番改心の出来だったと平沢さんが思う振付はどの曲のどの部分ですか。

これ見てればわかると思うんですけど、順番は殆ど全曲同じです。
上左右、下左右という順番で動くようになっています。殆どが。勿論例外もあります。

自分で一番面白いなぁと思った動きがですね、「Dustoid」?
何かの時の「Dustoid」かな……か何かだったと。
あと「論理空軍」、何かのときの「論理空軍」……だったような気がします。

で、あの頃はですね、ごくごく生真面目に、なるべく面白いフォームになるように生真面目に構成していたんですが、そうすると覚えられないという事情があるのと、仕込みが大変だということもありまして、やめました。

ただ、出てくる順番はほぼ同でも、手を変えるとか……例えば左の一番を弾くのに……これ一番と言います、一番を弾くのに右手を出す、次に二番を引くのに左手を出す、というような、アレンジの仕方で動きが変わったように見えるようになっています。

それと、譜面があります。
今回からレーザーハープのタブ譜を作りました。
そのタブ譜を使って演奏しております。ということです。

では次ですね。
ちょっと待ってください、あと3分ですか。
ちょっと、かなりまだあるので、ちょっと延長しましょうか。
ま、私がやめたいと思うまでやりますかね……まいいや、適当にやります。

次……




文字起こし Back Space Pass 第9曼荼羅編①

口上(0:55~)

こんばんは。ヒラサワでございます。
第9曼荼羅 終了いたしまして、おかげさまで沢山の皆さま、ご来場いただきまして、誠にありがとうございました。

ヒラサワtwitterフォロアーがついに9万人に達してしまったということで、これ実に、あってはならないけしからん事態であります。
にもかかわらずですね、9万フォロアー達成記念ライブを終わって間もなく10万人に達していると。
絶対、世の中おかしくなっております。私ごときに10万人の支持者がいてはならないと、私自身は、かように思うわけです。

で、第9万曼荼羅 終わったばかりなのに10万人の記念イベントをやるのかやらないのかということを色々言われておりますが……まだ何も考えておりません。

このあとですね、いま新譜の制作に入らなければいけないのですが、色々あってなかなか思うようにはいかないということで、twitterイベントのことなど、とりあえず考えていらんないという状態でございます。

それで、今回はですね、久々に、11年ぶりに大阪に行きまして、ライブをやりました。
で、もうだいぶ前から大阪……というか東京以外ではライブをやらなくなっておりまして、様々な事情がありますけれども、一番大きな事情は「ヒラサワの動員力では赤字が出る」という理由が最大の原因です。

で、ま、小さなライブハウス等を回る規模の、昔のようなツアーでしたらそこそこやっていけるのですが、今の規模のまま地方に持っていくと動員力が足りないということで、今までやらずにいたわけですが、まぁ9万人にフォロアーが達したということで、まぁこれが嘘でないのであれば、大阪行っても何とかなるんではないかと、いうことで行ってみたら何とかなりました。

何とかなりましたので、質問のほうにもですね、多く寄せられているんですが、「次の大阪はあるのか」と……いうことでございましたら、「ございます」。
まだいつになるかは決定しておりませんが、次にコンサートのパッケージをやるときにはですね、今後は東京・大阪とパッケージされてくるはずだと思いますので、どうぞご期待していただくと同時にですね、相変わらずのご贔屓、何卒よろしくお願い申し上げます。


上領さんと会人の参加について(4:37~)

ということで、ライブに関してのエピソードなどを話したいと思いますが、まず今回は、残念ながら今までのように、大きなミスとか大きな事件とか、ヒラサワのバカバカしいほどの基本的な失敗とかっていうのは残念ながらございませんでした。

というのでなかなか話題に乏しいんですけれども、ま、最大の話題と言えば、会人の参加と、そしてドラマーの上領さんの参加だと思います。

上領さんの参加について、「なぜそうしたのか」という質問が多々ありました。
で、さらに「なぜ大阪には来なかったのか」ということも併せてお話したいと思いますけれども、まず、勿論「ドラマーを起用するならば上領さん」と。
(それ)以外にはないと、今回は思っておりました。

というのは、上領さんというのは、ドラマーの中でもかなり柔軟、ああ見えて柔軟で、しかも応用力があると。
で、かつ、打ち込みのバンドも得意であると。

普通、ドラマーっていうのは打ち込みの演奏に合わせるのは非常に大変なんですけれども、上領さんはそれもOKということで、上領さんしかないなと。
(そう)思ってスケジュールを調整しようと思ったら、なんと大阪の日程の時には「フランスに行っている」ということになりまして。
ではどうしようかということで、会人、何でもできる会人をお誘いしたわけですね。

勿論会人はですね、会人のTAZZですね。
TAZZは東京ではバイオリンその他の演奏をやっておりましたけれども、大阪ではスネアドラムとそれからシモンズ……懐かしい、昔懐かしいシモンズ……私はそれほど好きでないシモンズ……というシンセドラムの先祖、元祖……でもないんですけれども、六角形のデジタルシンセドラムパッドなどの演奏をTAZZにお願いいたしまして、TAZZは快くOKしてくださいました。


打数の危機的状況(8:06~)

で、大阪はとにかくTAZZができるだけ打数を稼ぐと。
それで東京に来て、上領さんにバトンタッチ。
たとえ大阪で打数が足りなかったとしても、上領さんなら何とかしてくれるだろうと。
全員そのように期待しておりまして、安心して東京までやってまいりました。

ま、見事に上領さんは90,000打、達成してくれたわけなんですけれども、ここでやはり最大のエピソードというのは、東京最終日に、最後の曲に到達したときに、約40,000打足りないと。40,000打じゃないか、4,000打か。4,000打、足りないと。
1曲で4,000打どうやってカバーするんだ、という危機的状態に陥ったことですね。

あとでシステムの詳細はご説明いたしますが、スネアドラムにセンサーがついておりまして、それで打数をこうカウントしているんですが、カウントした打数がログとして残っているんですね。
全てそのログを見れば、この曲に何打叩いたかというのが記録されておりまして、東京に来たとき上領さんが、大体1曲平均何打ぐらいのペースで叩いていけばいいのかというのも、プランすることができるんですね。

本番前にそのログを見まして、スタッフと綿密な打ち合わせをしまして、大体平均これだけ1曲打っていけば楽勝だと。
途中、多めにオカズを入れたりとかですね、それから「打数モジュール」ですか。
打数を増やすための曲を延長させるモジュールを全部有効に使っていけば、90,000打は楽勝だろうという予測のもとに、東京を、全員が安心しながらライブを行っていたんですが、なんと、最終曲で4,000打も足りないと。

「どうしてくれるんだ上領さん!」と、いう事態が生じまして、もし打数が万が一足りなければ、例えばアンコールの時に、本番でやった曲をもう一度引っ張り出してきて、何回も何回もやると。90,000打になるまで何度も同じ曲をやるというような対策というのは考えていたんですが。
それとですね、オーロラという曲の最後に、任意の……何ていうんですか、延長サイズを設けて、そこである程度調整しながらプランを立てていくという戦略も進行させていたんですけれども、しかし、最後の最後で調整しなければならないのが4,000打というのは、もう非常に危機的な状態であります。

しかしですね、もうオーロラが終わって、最終コーナーで、連打が、打数稼ぎのセッションが始まってしまったんですね。本番中に。
このまま4,000打に行くのかどうか、ちょっと上領さんと目くばせで状況を把握したいなぁと思ったんですが、どうも目をつぶって演奏しているし、入り込んでいるということで、ちょっと状況がわからなかったと。

そこでヒラサワはですね、もう上領さんに任せようと、思ったわけですね。
上領さんていうのは……ゲホッ……ちょっと待ってくださいね……。
上領さんというのはですね、ああ見えてすごい男気の人なんですね。
すごい頼れるお兄さんというか、やるときはやるっていう人なんですよ。
それで、4,000打が無理かどうかはとにかく上領さんに任せるしかないと。
ヘタなところで私が止めに入ってしまうと、上領さんの男が廃るということもありまして、とにかく任せると。

任せるにしても「4,000打というのは何事だ!」ということだったんですが、始まってしまったからにはしょうがない。
途中もう苦しそうでしたが、何度も止めようと思ったんですけれども、「いや、もう少し様子を見てみよう」ということで様子を見ていたら、もうダメかと思った頃に、リズムのスピードを上げたんですね。さすがプロですねあの人。
普通なら、私は「ここでへたっていって、スピードが落ちていって、ズダン!と終わる」と思ったら、スピードを逆に上げたという。ニクイですね。

それで見事4,000打を達成したということで、本当に手に汗握る、また、上領さんでなければ成立しえなかった、非常に馬鹿げたことをテーマに持ったライブだったんですけれども、まぁこういうのは、皆さんシンプルなものほど共有しやすいのと、それから「これは疲れてしまう」「これは大変だぁ」みたいなことには共感しやすい、というか感情移入しやすいというので、皆さん一体となって、なんか意味わかんないんですけど、そのような体育会系の共感みたいなものが会場に満ち満ちまして、無事、90,000打を達成したというライブでございました。

これ、もちろんDVDに収録されますけれども、最終日はほんとにすごかったですね。
はい、そういうことでございます。


とんでもない楽屋(16:19~)

あとですね、私のほうからお話できることといえば、そうですね、楽屋ですね。
すでにご存じの方もいるかと思いますが、楽屋が「とんでもない楽屋」なんですね。

ものすごい広い、そうですね、30畳以上ありますかね、の、巨大な楽屋がありまして。
非常に悪趣味の壁紙、悪趣味のソファ、悪趣味のテーブル、悪趣味な調度品、というもので飾られておりまして。
さらに螺旋階段があって上っていくと、巨大なハート形のソファと、ジャグジーバスと。
非常に……いったいこれを好む人はどういう人なのかと。
お金をかけてここまで下品にする人は誰なのかと、いう、豪華な豪華な楽屋が一つありまして。

私はその楽屋を使わずですね……もちろん広いので快適なんですね、キッチンもありまして、製氷機もあると。
ソファもでーんとあって非常に快適なんですが、これを、会人と上領さんに使っていただきました。
で、私は、小さな小さな、そうですね、10畳ぐらいかな、の、いわゆる「よくある小さな楽屋」みたいなものを使わしていただきまして、ひっそりと、心穏やかに過ごしておりました。

もちろん豪華な、ゴージャスな楽屋というのはですね、ステージに最も近い場所に位置しているんですね。
こういう位置関係というのは「主役が使います」という意味なわけです。
私はステージから一番遠い、つまりスタッフ控室みたいなところ、ええ、ここに陣取りまして。
ちょうどスタッフが溜まっている場所のすぐ隣ですね。
ここのドアを開けっ放しにしまして、いつものように、心静かに過ごさしていただきました。
ということですかね。


ロボットカメラ(19:37~)

あ、あと、ロボットカメラ。
私の鍼の先生が、元ロボットエンジニアだということで、そういう話を聞くともうすぐに使ってしまおうと思うのが私で、ロボットカメラを作っていただいております。
大阪、東京とどんどんバージョンが変わってきまして、現在新たに作り直しているバージョン2というのが、非常にかっこいいんですが、これがまだできておりませんで。
まずちょっと写真をお見せしましょうかね。非常にかわいらしいので。

これがロボットカメラです(20:26)。
大阪で、最初の日は三脚が付いていなかったんですが、二日目か三日目にこの三脚が付きました。
ステージの前面に、こう白い線が引かれておりまして、この線の上を走ると。
この線を感知して走る、という仕組みになっております。
この時は直線ですが、東京では線をカーブさせまして、ちょっと私の右側の方まで回り込んでくるという動きをしておりました。

これはですね、上のほうを見ていただくとわかると思うんですが、赤外線の受信機が付いておりまして、赤外線を発射する小さな機械を私の胸のあたりにこう設置してですね、それを追いかけるという仕組みになっております。

まぁ赤外線ですので、照明の影響を受けにくいんですが、それでもやっぱりそっぽを向くということがありまして、これも映像を見てみると、そっぽを向いて突然思い出してヒラサワを向き直るという映像もなかなか面白いので、それほど厳しくない状態でチューニングしてもらおうかなと思っております。

2号機はですね、白線を廃止しまして、レーザー光線を追いかけていくという仕組みになっていくそうです。
ちなみにちょっと制作中の2号機を見せていただいたんですが、これはかっこいいですね。
1号機よりも全然かっこいいです。

ということで、次のライブには2号機が登場すると思います。
2号機プラス1号機が、ステージの上を走り回るのではないかと、そのように予測しておりますが、果たしてどうでしょうか。

ということでですね、すでに23分ぐらい経っておりますね。
そちらの映像はちょっと遅れてますんで、もう30分ぐらいになってる…なってないよな、25分、4分ぐらいかな……どうでもいいことにこだわるんじゃないっていうね。




2017年10月28日土曜日

わ芝居~その壱「カラサワギ」@シアター711

「わ芝居」とは?
お芝居を、古典界の方々とのセッションの場として展開していきたいという考えから、
「和の交流」という意味で命名されたそう。
第一弾の今回は、同じ話を芝居と落語で演るとのこと(玉造小劇場HPより)。

チケット予約のとき、落語で風景や風貌を想像しておき、お芝居で妄想と比べる
という楽しさをもとめて落語は先、お芝居は後に見たいかなあ、と思っていたけど
どちらから先に観ても楽しめる内容だった。

前説では、コングさんが幕前で、前説をかねた物販をしていて。
つるつる出てくる言葉が、テキトー(失礼)なんだけど面白くて笑いっぱなし。
銀瓶さんが「前説芸」と仰っていたのがよくわかる。
「前説の前説は誰がやるんだ」っていう笑
開演に先立ちまして、の注意事項で、非常灯の消灯を伝えるとき、
「この人(非常灯のピクトさん)は、いなくなります。」
とおっしゃっていて、可愛らしい言い方だなと思いました。

話の展開もさることながら、ちょこちょこ挟んで来る小ネタが可笑しくて、
「いーです、いーです、イーデス・ハンソン」はもう忘れられない。
美斉津さんはとっても男前で、最初に観たとき(10年くらい前)は可愛い感じだったけれど、ここ最近ぐっと精悍になった印象。
「げーんちゃん」「よっちゃん」はとても愛らしく、コングさんの見世物感はお見事!
ストーリーと、笑いと、役者さんの個性を存分に堪能できた楽しいひと時だった。

銀瓶さんは初めてだったが、「イーデス・ハンソン」や「尼崎センタープール前駅」など、その日のお芝居に出てきた小ネタをしっかり挟みこんできて、すごいアドリブ力だなあと感服。
お芝居版は杉田視点で描かれていたが、落語版は清吉視点で描かれており、また清吉が板前になるまでの経緯などにも触れていた。
スピンオフのような感じで、片方だけでも楽しめるが、両方観るとより物語が厚くなる。
それに、それぞれで同じシーンもあるから表現の違いもよくわかる。
やはりこれは両方観るべし。と実感いたしました。
「その弐」が今から待ち遠しいです。


◆あらすじ
時は元禄時代、奏者番として「珍しくて美味い物を探して来い」と、尼崎に出張を命ぜられた杉田。
宿泊先に行ってみるとなんとダブルブッキングされていたのだが、その相手、清吉も、食事係として同じ命を受けて来たことを知り、シェアハウスをすることに。
平和な世の中、ありふれた貢物に飽き飽きしている大名に、話題にしてもらえそうな物事はないか。
ちょうど赤穂浪士による討ち入り事件がニュースになっており、「これだ!」とひらめいた家老は、杉田に「首を調達せよ」と命ずる。
突然の言い渡しに困った杉田、清吉に相談しようと長屋へ帰ってみると、そこには生首が……。

【出演】
杉田久右衛門(奏者番)…うえだひろし
清吉(食事係ただし犬の)…美斉津恵友
篠原源右衛門(家老)…野田晋市
青山幸秀(藩主)…浅野彰一
かなめ(長屋の女?)…長橋遼也
甚兵衛(長屋の大家)…や乃えいじ
銀次・元太…コング桑田
橘太夫…松井千尋

◆落語
「千早振る」
「はてなの茶碗」
「カラサワギ」

【落語出演】
笑福亭銀瓶
山藤貴子(お茶子)





2017年10月8日日曜日

グリーン・マイル@東京グローブ座

初めての舞台化とのことで、どのように変わるのかと思っていたが、
キャストも話の流れも、映画版に忠実に作られていたように感じた。

まず、把瑠都さんのお芝居がとても上手でびっくり。
(あとで知ったけど、ドラマなどにも出演されているんですね)
無骨だけど繊細なジョン・コーフィにぴったりだった。
あまり大きく表情を変えることはないけれど、少しの表情の動き、手のあそび、
などにぐわーっと心をつかまれかきむしられていた。

そして加納さん。
素直でお茶目なキャラクターが愛しいが、そこに内包している哀しみが
見え隠れして切ない。
加納さんっていつも、どんな役でもご自分のキャラクターになっている感じがする。
刑が執行されるシーンでは、あらすじを知っているので思わず目を覆ってしまった。
(さすがに映画のあのシーンのリアリティさは省いてあったが)
あと、まあ女形ですから、当然あの役もやりますよね。期待通りで、ふふふ。

加藤シゲアキさんは、知らなかったのですがジャ○ーズの人だったのですね。
そういう色眼鏡を通さずに、役者として見られたことは良かった。
真摯にコーフィと向き合う姿勢、冷静の奥にある熱血さがよく表れていて素敵でした。
出ずっぱりで大変だったんじゃないかな。

鍛治さんと伊藤さんは、もう、ほんとやなヤツ(の役)笑
コーフィもそうだけど、キャスティングがほんと秀逸なので
舞台だけで映画を観ていない人には、ぜひ映画も観ていただきたいです。

P.S.ミスター・ジングルズは、どうやって動いていたのかしら?


花組芝居会員枠で取ったチケット
とても良い席で観ることができました!


◆出演
ポール・エッジコム…加藤シゲアキ
ジョン・コーフィ…把瑠都
ブルータス・ハウエル…中山祐一朗
ウィリアム・ウォートン…鍛治直人
パーシ―・ウェットモア…伊藤 俊輔
ディーン・スタントン…永田 涼
エデュアール・デラクロア…加納 幸和
ハル・ムーアズ…小野寺 昭





2017年10月6日金曜日

第9曼荼羅 東京二日目 @宅オ

東京二日目は「51,332打」からスタート。
気になったところ抜粋。

1.オーロラ
一曲目からのデストロイ!で、ぴょんと飛ぶところがたまらない。
曲の終わり方に思わず笑ってしまう。
じゃーん(だかだかだかだかだか)、どこどん。
打数をかせぐためとはいえ、普通だったら平沢さん絶対やらないやつ。

2.確率の丘
アレンジによって、よりポップな感じ。間奏のところなど。
Bメロ(サビ?)のとこはディレイが効きすぎでないかい?と思った。
それもアレンジか。んー歌の部分はオリジナルのほうが好き。

4.アディオス
ばり かっ かっ かっ かっさい。
間奏で青パトランプ、長い長い。平沢さんはお水を飲んでる。上領さんがんばれ。
曲が終わるとき、「かっさい かっさい かっさい」・・・「バリ!」で終わったの、
なんだったのだろ。「いん」・・・「にゃあぁぁあ!」みたいなもの?
そしてやっぱりこの曲で感動して泣いてしまう。

5.灰よ
「灰舞えーぃ」の前に全員が右手を上げるところ、かっこいい。
平沢さん右手上げるの好きなのかしら。
レイヤーグリーン、エントロピー、とか。

8.パレード
SSHOとTAZZの交互の動きが餅つきっぽい。
溶接面と、繰り返す動作が、なんとなくスチームパンク風情のおもちゃの
ロボットが動いているようで、パプリカのワンシーンみたいだと思った。

9.人体夜行
イントロ部分に、アディオスみたいに声のサンプリング。
あんから ぴよ あんからい はーい あんから ぴよ あーあ はーい
(私にしかわからない暗号)

10.Shiam Lights
ゴダン(エレガット)を使用してのギターソロ。
どこで見たんだっけ、と思ったら循環カフェのBSPだった。
デストロイもいいけれど、エレガットの進さんももっと見たい。
あとは金星、トビラ島くらい?

11.トビラ島
ドラムがドラマティック。
kamiさんの名言、「ドラムはメロディ楽器」を思い出す。

MC
本日はお足元の悪い中、お越しいただきありがとうございます。
本日、えー4日目、一日平均15,000発ということで、
千手観音と言われたドラムですが、相当に頑張ってもらわないといけません。

声援の練習をしたいと思います。
「わたる! わたる! わたる!」
明日(みょうにち)、そのときに「わたる」でお願いします。

重要部品を紹介します。

SSHOです。松と書いてショーです。
色々な役割を紹介します。
サイレントチェロ、エレキギター、ボタン笑

TAZZです。鶴と書いてタヅです。
パーカッションを担当しております。
それからバイオリン、シンセサイザー、ボタン笑

それでは打数を稼いでいきましょう。
Wi-Siwiです。


◆曲目(クリックすると大きくなります)