お芝居を、古典界の方々とのセッションの場として展開していきたいという考えから、
「和の交流」という意味で命名されたそう。
第一弾の今回は、同じ話を芝居と落語で演るとのこと(玉造小劇場HPより)。
チケット予約のとき、落語で風景や風貌を想像しておき、お芝居で妄想と比べる
という楽しさをもとめて落語は先、お芝居は後に見たいかなあ、と思っていたけど
どちらから先に観ても楽しめる内容だった。
前説では、コングさんが幕前で、前説をかねた物販をしていて。
つるつる出てくる言葉が、テキトー(失礼)なんだけど面白くて笑いっぱなし。
銀瓶さんが「前説芸」と仰っていたのがよくわかる。
「前説の前説は誰がやるんだ」っていう笑
開演に先立ちまして、の注意事項で、非常灯の消灯を伝えるとき、
「この人(非常灯のピクトさん)は、いなくなります。」
とおっしゃっていて、可愛らしい言い方だなと思いました。
話の展開もさることながら、ちょこちょこ挟んで来る小ネタが可笑しくて、
「いーです、いーです、イーデス・ハンソン」はもう忘れられない。
美斉津さんはとっても男前で、最初に観たとき(10年くらい前)は可愛い感じだったけれど、ここ最近ぐっと精悍になった印象。
「げーんちゃん」「よっちゃん」はとても愛らしく、コングさんの見世物感はお見事!
ストーリーと、笑いと、役者さんの個性を存分に堪能できた楽しいひと時だった。
銀瓶さんは初めてだったが、「イーデス・ハンソン」や「尼崎センタープール前駅」など、その日のお芝居に出てきた小ネタをしっかり挟みこんできて、すごいアドリブ力だなあと感服。
お芝居版は杉田視点で描かれていたが、落語版は清吉視点で描かれており、また清吉が板前になるまでの経緯などにも触れていた。
スピンオフのような感じで、片方だけでも楽しめるが、両方観るとより物語が厚くなる。
それに、それぞれで同じシーンもあるから表現の違いもよくわかる。
やはりこれは両方観るべし。と実感いたしました。
「その弐」が今から待ち遠しいです。
時は元禄時代、奏者番として「珍しくて美味い物を探して来い」と、尼崎に出張を命ぜられた杉田。
宿泊先に行ってみるとなんとダブルブッキングされていたのだが、その相手、清吉も、食事係として同じ命を受けて来たことを知り、シェアハウスをすることに。
平和な世の中、ありふれた貢物に飽き飽きしている大名に、話題にしてもらえそうな物事はないか。
ちょうど赤穂浪士による討ち入り事件がニュースになっており、「これだ!」とひらめいた家老は、杉田に「首を調達せよ」と命ずる。
突然の言い渡しに困った杉田、清吉に相談しようと長屋へ帰ってみると、そこには生首が……。
【出演】
杉田久右衛門(奏者番)…うえだひろし
清吉(食事係ただし犬の)…美斉津恵友
篠原源右衛門(家老)…野田晋市
青山幸秀(藩主)…浅野彰一
かなめ(長屋の女?)…長橋遼也
甚兵衛(長屋の大家)…や乃えいじ
銀次・元太…コング桑田
橘太夫…松井千尋
◆落語
「千早振る」
「はてなの茶碗」
「カラサワギ」
【落語出演】
笑福亭銀瓶
山藤貴子(お茶子)