2015年3月24日火曜日

ニュー・ウェイヴとはなんだったのか Part II vol.1 (4)

201503211200@Gazio
ニュー・ウェイヴとはなんだったのかPartⅡ vol.1
異形のサイボーグからファンタジーまで~大和久マサルの変次元~

※1 「」は流した映像
※2 O:大和久さん K:かしこさん

ここからは現在の大和久さんのことについて。


K:大和久さんは音楽もやられていると。
  このコーナーが一番いやだって言っていましたね(笑)

★【初音ミク】不確かに翳る【オリジナル】 Inaccurate Shadow

K:質感が大和久さんだなあとわかりますよね。
O:使いまわしている素材もありますからね。陶器の質感みたいなのが好き。

★【初音ミク】星音残像石【オリジナル】

そもそも音楽ができないとなので、ということで、今後のことは未定のようす。
大和久さんは終始恥ずかしそうにしていた。


【質問タイム】

Q1 影響を受けたイラストレーターや作家さんはいますか?

A1 画家の野又 穫(のまたみのる)さんの建物や風景画が好き。
(注 名前をちゃんと聞き取れなかったけども調べてみたらたぶんそうだと思う)


Q2 時間があればΣ-12でやってみたいことはありますか?
   たとえばおっΠを揺らしたいとか…

A2 イヤイヤ(笑) 平沢さんがΣさんを気にいって使おうとするんですよ。
   自分ではあまりいじりたくない。


Q3 平沢さんにオーダーされて「できない」と言ったものはありますか?

A3 それはボツになったものという意味で良いですか?
   インタラはプロットができてから出来上がるまでにいろいろ変化していく。
   毎回変わるので、そういうものがたくさんありすぎて、覚えていないんですが。

   ノモノスとイミュームでは、本当は旗の上にノモノスが付いているはずだった。
   しかし、あの身体ではというかあの足では登れないでしょう、ということで時計台に
   付けることなった。

   K:時計台もかなり無理がありますけどね(笑)


Q4 影響を受けたCGアーティストはいますか?(影響を受けたCGはありますか?)

A4 映画を見てイメージがわいたりします。
   点呼する惑星は「キンザザ」です
   ゲームの「MYST」ミストにも影響をうけました。←平沢さんも好きなゲーム。

   K:MYSTはやってみたけど使い方がわからなくて断念しました。





以上



2015年3月23日月曜日

ニュー・ウェイヴとはなんだったのか Part II vol.1 (3)

201503211200@Gazio
ニュー・ウェイヴとはなんだったのかPartⅡ vol.1
異形のサイボーグからファンタジーまで~大和久マサルの変次元~

※1 「」は流した映像
※2 O:大和久さん K:かしこさん

ここからはインタラクティブ・ライブのお話。
大和久さんの生インタラはWorld CellかSIMCITYとのこと。
インタラ第一回:「オーロラ伝説」。オーロラの発売記念ライブで映像は残っていない。

★インタラ第二回:「Tokyoパラネシアン」より「世界タービン」
バンド編成のインタラ。DVD化されておらずVHSのみ。
当時ナグラさんという人がCGを作っていた。
K:平沢さんの衣装にも注目ですね(笑)(→巷でパジャマと言われるチェックシャツのこと)

★SIMCITY(オープニングのガシャンガシャンと叩き割るところ)
O:自分の作ったCGを事務所に送り付けて採用されたのがSIMCITY。むにゃむにゃした
  映像がオレです。平沢さんの求めるものはリアルなものではなく「CGっぽい」もの。

ビルの間を通り抜けるところのCGも大和久さんだそう。
そして悪者の話題。「バイナリーデカルト」は平沢さんの案ではない。
「アスキードラゴン」は平沢さん案とのこと。かしこさんはドラゴンがお好みだそう。
miburiでぱしゅんぱしゅんするシーンでは、
O:フフッ(笑)いや、かっこいいけどオモシロイっすよね(笑)

★架空のソプラノ
O:これまでは札幌でAMIGA2000で作っていた。この頃からインタラのOPが長くなってきた。
  (オープニングのトンネルを抜けるようなCGは同じ映像が繰り返されるため)こんなに
  長いなら、もっと長いCGを作れば良かった。
K:CG酔いしますよね。

★架空のソプラノ(電光浴)
O:三角をクリックする手は、平沢さんの自前CG。

平沢さんがインタラをする理由は、表に出てきづらいリスナーの反応を引き出したいことから。
CGを使用するようになったのは、どマイナーのころに、「音楽だけだと聞いてもらいにくい、
映像と組み合わせてみたらとっつきやすいのではないか」と考えたから。
「お金をかけない・プロに頼まない・民生機器でもアイディア次第でいろいろなことができる」
ところを見せたかったとのこと。

O:(そもそも楽器である)miburiでCG映像を動かすなんて誰もやらない。
  これはAMIGAだからできたこと、AMIGAじゃなきゃできない。
(ほかのシステムでは映像用と音楽用の信号は別物だが、AMIGAでは同じ「信号」として
とらえるので、音楽と映像のどちらもコントロールできる。)

K:平沢さんが好きなことばは「誤用」、たとえば本来楽器であるmiburiを映像に使うなど。
K:World Cellはソフトウェア化されていない。スペシャとかでやっていた。
  これを流すのはふさわしくないので流しません。

★賢者のプロペラ
K:ここから裏方で動くようになったんですけど大変でした。
CGは素材がそろっていなくて、映像入りのリハができなかった。
東京と大阪でCGが違う。この辺は来なかった近未来で語られている。
World Cellから在宅オーディエンス(以下「宅オ」)が入るが、これの担当だった。
大阪では成功ルートに行くと流す映像がないので必死に「成功ルートに行くな」と祈っていた。
祈りは通じるもので成功には至らなかった。

K:LIMBO-54までは、CGは分担していたが、ストーリーや映像やいろいろなプログラミングは
全部平沢さんがやっていた。そのため平沢さんにしかわからないこともいっぱいあった。
大阪では「これはゲネプロだよね」と言われたりした。

★LIMBO-54
O:「本物のヒラサワ(ルーク・サトワン・コンディアオ)」は平沢さん自身は気に入っている。
  重複僧侶は平沢さん作。「重複僧侶です」って自己紹介するんすよ(笑)
K:平沢さんのCGはヘンだからすぐわかる。なんだこのマダラ坊主とかゆってましたね(笑)
  このインタラは宅オの影響が大きいライブ。観客との結びつきがよくわかる。

K:(しるしを台座にセットするためランタンを客席でまわすところ)平沢さんは爆発物のことを
  「地雷とは呼ぶな」と言っていた。このときはAMIGA使用。
O:ランタンの軌跡がちゃんと映像化できるのか不安だったが成功してよかった。
  しるしの台座は平沢さんのCG。

K:実は地雷をすべて踏んでいたら、しるしを全部集めなくても成功するというルートもあった。
  このときはネット、AMIGAを担当していた。AMIGA使いまくりライブだった。
  ほんとうにユーザーを巻き込むのが好きですよね。
  当時ファン同士のけんかもあった。ライヴを楽しみたい人たちと、どうしても成功ルートに
  行きたい人たち。平沢さんはそういうのも楽しんでいたと思う。

K:ナノ重複のところ(コスモクリーナーとか言っていた)はエヴァっぽいですね。
  平沢さんは物語がループするのも好きですよね。

K:(Another Endingの「無数の”本物のヒラサワ”が生じるところ) 何頭身あるの(笑)
  永遠にヒラサワもどきが増える 宇宙を埋め尽くすまで。笑えるよね(笑)

O:笑いってゆうかいつも「ザワッ」とするんです(笑)

平沢さんは、「LIMBOでやりつくしたのでほかのこともやりたい」と言っていたとのこと。

★白虎夜
OPのアリが木の葉を受け止めるシーンは南米の「ハキリアリ」の話がモチーフ。
ハキリアリは木の葉が落ちる場所があらかじめわかっているかのように、落ちてくる場所
で待つという不思議な能力をもつ。
思った位置に落ちる=”世の常”の象徴。しかし外れてしまい「あれ?」という顔をする。

K:インタラって、話を縮めると「ヒラサワが宇宙の危機を救う」って話ですよね。

K:Σ-12は最初、成功ルートにならないと全身が出てこなかった。
  顔は自分(ヒラサワ)の顔でモニターが付いているが、これは指示があったのか?
O:GHOST NOTESが先で、ここに書いてあった形状をもとにCGを作成した。

O:白虎夜のCGはいろんな人がやっている。それは平沢さんの仕事を分散させるため。

K:ブラックタイガー油田の上にあるのは花?
O:炎がモチーフなんだけど、蓮のつぼみと言われる。だったらそれでいいかと。

(インタラの中では白虎夜のことをホワイト・タイガー油田と言っていた。
White Tiger oil field(バクホー油田)がモチーフと言われている。
このとき「ブラック」と言ったのは間違い?それとも黒いからわざとそう言った?)

K:Σ-12はナリナリ言わなくなったね
O:アップデートしたので。
K:政治色の強いライブだよね。陰謀論前回というか。

Σ-12の登場にかしこさん「ぷぷっ(笑)」
すべてのインタラは最初からいままで話が繋がっているという体。

★点呼する惑星
P-0から話が繋がっている。
トゥジャリットとAstro-Ho!が交互に出るシーン、トゥジャリットを指さしたいのに
Astro-Ho!をさしてしまい「あっ あっ」となるかしこさんに会場笑。

K:宅オの比重(影響範囲)を少なくしてシンプルにしたインタラ。
O:トゥジャリットの形状を考えるのも仕事だった。それが大変だった。
K:この辺からインタラクティブライブ「ショウ」になってきたよね。

(Astro-Ho!と平沢さんがユンカースで登場シーン)
O:平沢さんはよく前のキャラを出してきたりする。
  「前使ったあれ、使えるでしょ」と言ってくるけどフォーマットが変わるので、
  一から作ったほうが早い場合もある。

K:今敏監督はこのインタラが好き。「力の抜き方、抜き加減が良い」と言っていた。
  笑いの要素を出してきたのもこのインタラから。

K:hybrid PHONONはどうだったの?
O:作り込みすぎないところが好き、やっていて楽しいですね。
  インタラのように作り込むものは、時間があればいいけど、時間がないから
  やり残しが結構あってそれが辛い。
  初期のころにやっていた抽象的なのとか、やりたいかも。




2015年3月22日日曜日

ニュー・ウェイヴとはなんだったのか Part II vol.1 (2)

201503211200@Gazio
ニュー・ウェイヴとはなんだったのかPartⅡ vol.1
異形のサイボーグからファンタジーまで~大和久マサルの変次元~

※1 「」は流した映像
※2 O:大和久さん K:かしこさん

ここからはPVについてのお話。

★Town-oPhase-5 PV アイデア
O:無断公開について平沢さんに「やめてよ」と言われた。
K:でも「押すな押すな」状態だったんでしょ?
O:いやまあそうかも(笑)
K:平沢さんの絵はほんとよくわからない。
音廃の表紙も、平沢さんが描いたのはゴミ袋を横にポンポンとならべて描いたようなもの。
それを今敏監督が次の日にさらっと描いてきたとのこと。

★Town-o Phase-5
O:当時サラリーマンクリエーターだったので、会社で残業しているふりをして作った。
  機材も会社のものなのでリッチな感じ。相方と一緒に作っていた。
  平沢さんも頑張って素材撮りをしてくれていた。
K:平沢さんの自我撮りって最近の女子高生どころじゃないよね(笑)

★論理空軍
K:また顔かよ(笑) これは自分で考えて?
O:ユンカースにモニターつけて、は平沢さんの指定。
  2週間くらいの期限で作るように言われた。実際はもう少し期限が延びた。
  全部CGで作るのではとても時間がないので、フィールドワークに出て素材集めをした。

★賢者のプロペラ
O:これは自前の環境で作った。
  このころの平沢さんはメイクもしてるしちゃんと撮っている。”めばり”もしている。
(笑いが起きたが聞き取れず・・・のちにアイプチと判明!)
K:(振り子が)回ってますね、World Cellも回ってるけど・・・
O:回ってるの楽なんですよ。
K:振り子にさぁw・・・振り子に顔はいいの?
O:本人は気に入っていたみたい。LOVE SONGもそうだけど、全身よりは顔が好きな様子。
パゴダ(仏塔)の写真はかしこさんが提供した。点検隊でミャンマーに行ったかしこさんが撮ってきたもの。

★ロタティオン
K:ケイオスユニオンのスタッフが大和久さんに「CGってどう作るんですか?」と尋ねたのに対して、
  大和久さんが「描くんですよ」と答えていたのが印象的。
K:蓮の花の名前はあるの?
O:大ロタティオンじゃないですか?

★RIDE THE BLUE LIMBO
O:平沢さんの自我撮り、撮り方が適当になってきている。
  顔があんまりかっこよくない(笑)(ちゃんと撮ろうとしていない、という意味で)
  チャリのシーンはサトケンさんが撮ったんですよ。

O:PVを作りたいという話は何度か出ているが、やるとしたら時間をかけて作りたいとのこと。
  平沢さんはカメラにはまっているから、自分もかっこよく撮りたいんじゃないかと。
  でもそんな時間がないのでできていない。

K:PV集出してほしいけど、平沢さんは過去のものを集めて出すのが嫌いだし、大和久さんも
  前の作品を出すのは恥ずかしいから嫌というし、難しいですね。

★白虎夜
O:これは平沢さんの案に忠実に作った。パプリカのイメージで蝶を飛ばしている。





2015年3月21日土曜日

ニュー・ウェイヴとはなんだったのか Part II vol.1 (1)

201503211200@Gazio
ニュー・ウェイヴとはなんだったのかPartⅡ vol.1
異形のサイボーグからファンタジーまで~大和久マサルの変次元~

※1 「」は流した映像
※2 O:大和久さん K:かしこさん


大和久さんとかしこさんの出会いは、かしこさん→平沢さんに、TAINACOⅡの写真がほしい、
と言ったら「大和久が持ってるよ」と言われ連絡したのがきっかけ。

導入は、大和久さんのバックボーンについてのお話。

★ファミコンゲームの「ツインビー」
O:色数は少ないけど濃淡で3Dっぽくなっているところにすごさを感じた。

※ツインビーのイメージアルバムは細野晴臣。
大和久さんはNON-STANDARDが好き。コシミハル、Shi-Shonenらが所属
NON-STANDARD=細野さんのレーベル。

★瞳はサンセットグロウ / Shi-Shonen
戸田誠司(G)、渡辺等(B)、友田真吾(D)→後のP-MODEL
O:ダサカワイイ衣装がよかった。

★Urban Dance / KISS X KISS
成田忍(Vo)→小西さんと4Dをやった後、松本浩一、小山謙吾
K:音楽的なバックボーンはいろいろだが、出力の仕方が歌謡曲だった。ヘンな時代よね。

★有頂天 / BYE-BYE
K:P-MODELやヒカシューを聴いていた世代の人たち。アイドル事務所のポニーキャニオンから。

★アポジーとペリジー(マイルドニッカウイスキーのCM)
K:イメージアルバムで「月世界旅行」という曲を戸川純・三宅裕司がデュエットしている。
戸川純がナレーションでひっそり入っていたり。クレジットされてたかなぁ。

大和久さんはつくば万博に良く通っていた。
つくば万博に代表される“いかにも未来”なロケット、ロボット、タッチスクリーン等に惹かれた?
このころ大和久さんはPC6601というパソコンを使っていた。

大和久さんが平沢さんに出会ったのは高校のとき、「世界タービン」のPVを見て。
K:このPVは強力に「かけてほしくない!」と言う人がいるので別のVideoをかけます。

★error DVDの世界タービン
K:左にいるのがきつねさん、DrがShi-Shonenの友田さん。右がまだ脱いでいない秋山さん(笑)
K:どこでこのPVを見たのか?

O:千葉テレビとかでメジャーじゃない系のアーティストのPVばかりかけていて、そこで流れていた。
  P-MODELは知っていたが、最初パンクな感じでコワそうだった。
  ソロになったらおとなしくなった感じがしてとっつきやすくなった。

K:どこが好きですか?鯵ですか?(笑)

O:地面とか背景のあたりがCGぽくてよかった。
  平沢さんはテンプレートやサンプルをそのまま使ったりするが、使い方(使いどころ)が
  ヘンなのでオモシロイ。
  AMIGA2000の出た後くらいで、CGつくるのいいなーと思っていた。

K:当時サンレコで平沢さんがCGの講座を連載していた(In a Video Room)。

O:平沢さんは「誰でもできる」ってすぐ強調するんですよ。
  「安い」「誰でもできる」にまどわされました。本当はそんなに簡単じゃなかった。

O:平沢さんのライブに映像を提供したきっかけは、95、6、7年くらい、大学のとき。
  インタラ SIMCITYの前にリスナーからCGを募集していた。
  確か、PHOTON(平沢さんは当時ファン向けに、作ったCGのビデオを配布していた)の
  ビデオの中でCG映像や効果音を募集していた。

K:平沢さんてユーザー参加好きですよね、すぐ募集しますね。

O:それで大学生の後半くらいのとき、AMIGA2000を初めて買った。
  当時MACとかは実機だけで100万くらいしたが、AMIGA2000は20~30万くらい。
  周辺機器を積むと100万くらいにはなるが、それでもほかの機材に比べれば安かった。