待合室のようなところに白装束の男性が二人。
会話の内容から、二人はこれから火葬されようとする故人(幽霊)であることがわかる。
偶然同じ斎場となった二人の故人と、その家族のお話。
加藤健一さん演じる桂おばあちゃんがイタコとなって、故人の思いを家族に伝える。
(……こう書くとストーリーを誤解されてしまいそうだ。)
少しボケが入ってきた、ゴシップ好きのお節介おばあちゃんにだけ幽霊の姿が見えるという設定から、
深刻さを笑いに変えながら、テンポよく進行していく。
最後はしっかりと泣かせ、観終わった後は晴れ晴れとして、あたたかい気持ちになるお芝居だった。
本筋とは別に、劇中の細かい設定がお葬式あるあるで、親族あるあるで、どこも一緒だなあと苦笑。
反抗期の娘、帰ってこない息子、父の彼女、発注ミスのお弁当、クセの強い親戚、、、
一見すると必要なさそうな設定がよりリアルに見せるのでしょうね。
家族だからこそ素直になれないことやひみつにしておきたいことはたくさんある。
だからほんとうの生活は誤解ばかりなのかもしれない。
気持ちを伝えたくても、死んでしまってからではもう遅い。でも伝えたい。
そんな希望を代弁してくれるから、このお話が愛されるのだろうと思いました。
今回の公演は13年ぶりの再演だそう。
13年前の公演を観た先輩に教えられて観劇した。
私のはじめての「再演観劇」は、次回公演の花組芝居「天守物語」になりそうだ。
◆出演
加藤健一 / 山本郁子 / 天宮良 / 加藤忍 / 伊東由美子 / 佐伯太輔 / 菊地美香 / 伊原農 / 久留飛雄己 / 吉田芽吹 / 照屋実 / 新井康弘
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