慣れない会議にハイヒールで疲れていたため、少し迷ったが、行くことにした。
初めての野外劇。
物語が進むと、外の空気が相乗効果を生み、物語の中にいるような感覚になった。
お花釣りや亀姫様登場のシーンで風がふくと、あ、私もこの場面にいる、と思う。
車のライトが雷のような効果を生む。
幕が風に揺れると、妖しさがよりいっそう際立つ。
特に天守閣の、あの色をおさえた幕は、何か居そうで涼しげで、なんども目をやった。
お話は、みっつの物語が組み合わさっていた。
天守物語と、夜叉ヶ池と、現代(鏡花の時代)と。
はじめに母子が出てきたときは、?がいっぱいだったけれど、あんな風にリンク
するのかと、加納さんならではの演出だと思った。
そしてラストの仕掛けにびっくり。
舞台そでから客席の後ろから、洪水に見立てたおおきな幕が舞台上へと押し寄せる。
そして崩れる天守閣。圧巻。
天守物語と、夜叉ヶ池のもとのあらすじが思い出せなくなるほどの構成、
みっつの話を行き来するのに、観ていてすんなり入ってくるストーリーは
あっぱれでございました。
暑かったけれども、たまに吹く夜風が心地よく。
お隣さんが団扇で扇ぐ風も、意図せずおすそ分けいただいてしまった。
お祭り気分も味わえて、素晴らしい時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。
◆出演
松本紀保、原川浩明、粟野史浩、田渕正博、木下藤次郎、鳥越勇作、趙徳安
井上カオリ、岡村多加江、浜野まどか、瀬山英里子、山中淳恵、犬飼淳治
一色洋平、時津真人、佐久間淳也、鈴木幸二、斉藤健、青野竜平、岩渕敏司
永栄正顕、町屋圭佑、舟山利也、外波山流太、中島愛子、碧さやか、牧野未幸
鈴木彩乃、天羽亜衣、下元史朗、水野あや、外波山文明
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