室生犀星の「蜜のあはれ」をモチーフとした、老作家と金魚たちのお話。
ある一人の金魚を愛した老先生、その金魚はもういない。
愛した金魚にもう一度出会うため、別の金魚を飼うけれど、やっぱり違う。
愛したいのに愛せない老先生と、愛されたいのに一番になれない金魚たちの愛憎が切ない。
後に和金ちゃんだけを愛した理由が明かされるのだけれど、
和金ちゃんがちいちゃかったこと(勿論ちいちゃい種類だからもあるけど)、
和金ちゃんとの蜜月の甘さが孫とじいじのそれだったこと、
官能的な視覚表現をきらって朗読に切り替えたことには、
そういうわけがあったのかとひとり納得してました。
どの金魚ちゃんも大変個性があり魅力だったのですが、
原愛絵さん演じる和金ちゃんがとっっってもかわいかった。
あと桂さんが、劇中にきちんと年をとっていくので驚きました。
枯れた桂さんも魅力的。セクシーが漏れてる。夢邪想の都万木を思い出したりして。
シアター711は小さな劇場だけど、狭い金魚鉢を表現するのにはもってこいでした。
とりどりの衣装でところ狭しと舞う姿、口をぱくぱくさせたときの、んぱっ!という音、
ほんとに金魚鉢を覗いているように感じました。
ステージ天井につるされた楕円形の鏡が、
金魚鉢の入り口を表していたり、ガラスに反射する金魚を表していたり、
観る位置でうつる景色が変わって新鮮でした。
最後に。
ねぷた金魚ちゃんをいただきました。
袋を用意するのを忘れたとのことで、スーパーの袋であります(助かります)
ありがとうございました。大好き。ありがとうございました。#先生と赤い金魚#おおのの pic.twitter.com/T0W8QTbbr5
— すさこ (@smoosicuniona) 2017年6月2日
◆出演
老作家…桂憲一 琉金…川西佑佳 丹頂…陰山真寿美
朱文金…山下亜矢香 キャリコ琉金…三村萌緒 コメット…難波なう
和金…原愛絵 黒出目金…押田健史
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