2018年9月15日土曜日
回=回 大阪2日目 @ZEPPなんば
印象に残ったところをぽろぽろ書いておく。
Zebra
まさか、ライブでこの曲を聴けるなんて。
第一声のゼッブラーーー!で込み上げてしょっぱなから号泣してしまった。
エナジーワークスから入ったわたしは当初ソロばかり聴いていて、P-MODELは
歴史が長すぎてどこから聴いていいやらという感じだった。
YouTubeで出会ったERROR OF UNIVERSEのZebra、あの第一声に魅かれてP-MODELを
聴き始めたと言っても過言ではない。
あの声を生で受けたら、そりゃ涙出るよ。
幽霊飛行機
ギターのリフの振り(回文か)が良い。
HYBRID PHONONのときはストイックにかっこよくキメる感じだったが、今回は
白会人の風貌と動きも手伝って、全体的に茶目っ気がある。
ヒラサワパークというか、うまく説明できないけど、会人のいるタイムライン(物語)へ
ようこそ的なイメージがあって、この曲はそれをいちばん表していると思う。
SSHOさんとのかけあいの後、歌い出しが分からなくなり暫くずれて歌っていて、
周りのみんなが教えるように口パクしていたのがほほえましかった。
CDクウォリティの歌唱力だから、こういうのがあると生で歌ってる!と感じる。
OPUS
白会人のヘドバンが印象的。幽霊でも書いたけれどタイムライン(物語)に入り込んだ
と感じる要素の強い曲。今敏監督のOPUSのために作られた曲というのが良くわかる。
現実と虚構の境目があいまいになる。オーパス!オーパス!
平沢さんの曲は、というか今回のアルバムで実感したけれど、テンポがドンピシャ。
重力を感じる、心地よくも悪くも。それが現実の決め手かもしれない。
Timelineの東
イントロで感動で崩れ落ちそうになる曲があるが、これはそのうちの一曲。
始まった瞬間にああーこれ来たかーとまたもや涙。
今回はギター擦り付け奏法も「みーちーをひがしーへ」の後のギターくるっ(縦)もなし。
しかしギターくるっが身についているためか、リズムを取りやすいためか、
くるっのタイミングで後ろに反る振り。
もしかしてSSHOさんがつられていないか?と思ったけどダイジョブだった。。
それゆけ!Halycon
1日目もやったけどもシンセソロでワンフレーズの美術館。
ソロ部分は実曲よりも長い尺を取ってあるね(違うかな)。
平沢さんがソロを弾くTAZZを見守っていたのが印象的。
実は物販で並んでいるときにリハーサルの音が漏れていて、ちょうどこのときだった。
今日も美術館ある、と確信したとき。ふふふ。
余談だが、宅オ勢の間で「ボヤ騒ぎ」とあったのが面白かった。
白く巨大で
MCで、1日目は
「白会人は大きいというもっぱらの噂にちなんで、『ではないですが』、白く巨大で」
と言っていたのに、2日目は「ちなんで、白く巨大で」と言っていた。
ぜったいついったのTL覗いてるよな。と思った。
バックにパラコザ映像流れて感慨深い。
この曲だったか忘れたが、PEVO1号さんとSSHOさんが同時にいたとき、
似てるなって思いました(←)
アンコールの曲の後、1日目のことがあったのでコールは続いたが、終わってしまった。
曲と曲のあいま、ふぅふぅ呼吸が聞こえていたのでキッツイのかなと感じていたし、
白く巨大でのとき何回かふうーと呼吸を整えるところもあったりで、今回は
大事を取って二度目のアンコールはしなかったのかなと思った。
無理はしないでほしいけれど。「アンコールはやらないとゆっただろう」とか言いに
出てくれるかなと期待した私がいた。
今回のライブは今までの中で最高だった。
といっても毎度毎度、平沢さんは最高を更新してくるので常に最新が最高。
さいごに「また会いましょう」と言ってくれたのもうれしかった。
また、会いましょう。
さいごに
これを書くにあたってYouTubeでエラユニZebraを観てきた。
やっぱりとても良かったけれど、今回のライブのほうがますますのびやかで
低音が深くなっていて、とんでもない人だと改めて思った。
◆セットリスト
01.Zebra
02.Big Brother
03.幽霊飛行機
04.TRAVELATOR
05.回=回
06.遮眼大師
07.無頭騎士の伝言
08.排時光
09.OPUS
10.亜呼吸ユリア
11.PLANET-HOME
12.ECHO-233
13.Timelineの東
14.Gipnoza
15.それゆけ!Halycon
16.HUMAN-LE
EN1.白く巨大で
EN2.109号区の氾濫
追記
初日、ステージ上がたいへん暑く水浴びしていた模様ですが、2日目には扇風機が設置されました。これにより、しゃがんだときに前髪がたなびいていたことをご報告いたします。
2018年9月14日金曜日
回=回 大阪初日 @宅オ
平日仕事のため在宅オーディエンス。
とはいえ、年々クウォリティの上がる音声での配信に感謝しかない。
今回、レーザーハープがなかったことにまず驚いた。
高出力のレーザーが一台壊れて、取り寄せているが難しいって仰ってたことと関係ある?
それとも飽きたとか、よりP-MODELらしさを狙ったとか?
01.OH MAMA!
まさかこの曲から始まるとは。うおーっまじか!と言ってしまった。
核Pオリジナルもソロも好きだけれどやっぱりP-MODELの曲をやってくれると昂る。
初日の1曲目だからか、音が取りづらそうな印象。
BSPでもお客さんが入ると途端に音のバランスが変わると仰っていたし。
02.гипноза
白会人、ソファにどっかりと座って両腕を上げるポーズが印象的。
03.アンチビストロン
核Pの代表曲の一つと思う。ポップな感じを受けるが実は歌詞は風刺ってるし、
ギターは男前だしで、P-MODELだなあと思う。
ポポポポポポポポポポポポドゥン の会人の動きが可愛らしい。
ポポポポのときは首を左右に傾げ、ドゥンでしゃがむ。
04.(出囃子)TRAVELATOR
音階のせいで勝手にテクノインド風味と思っている。
イントロのギターのリフ、マイナスのライブにゲスト参加されたときのギターソロを思い出す。繰り返すのがかっこいい。
このとき宅オ側ではノイズが入ってしまったが、それも味だったなあ。
05.(出囃子)幽霊飛行機
3人の揃いのポーズが良い。シンクロポーズと言えばパラコザ、ハイノンだけどそこまでストイックでなく、Pevoのライブでキメポーズした時を思い出した。なぜだろうー(←)
サビのメロディは爽やかで、タイトルのわりに上空初期値みたい。
個人的にマンドレ+P-MODEL(解凍)+核P+平沢ソロが全部入っている曲だと感じた。
06.(出囃子)HUMAN-LE
浄化曲。エンディング感。エンディング感の曲も結構多いよね。
フレーズ繰り返し、今回のアルバムに多い。
この曲もイントロと風を打ちのところとか。これが回なのか。
明日より遠く~過去より遠くのところが好き。
07.回=回
のど休めかと思いきや歌った(実は次にフルヘに行くと思っていた)。
やっぱりギター好きなんじゃん。シンプルだからこそ平沢さんの声圧を感じられる曲。
08.(出囃子)無頭騎士の伝言
出だしの「ぅあさー!」がライブぽかった。高音の声が美しい。
なんでか昭和歌謡ぽさを覚える。
09.109号区の氾濫
松と目くばせギターかけあい。こういうのを見るともうP-MODELじゃんと思う。
10.(出囃子)OPUS
音階よく知らないけれど、レラ抜き?日本音階?沖縄音階ぽいと思った。
アルバムの中で一番メロディーが予測できなかったがなぜかなつかしさを感じる。
大きい、深い、重い、不穏、えぐられる。会人ヘドバン。
全体的にそうだけど、テンポが秀逸。すべてにおいて最適なテンポだと思う。
11.亜呼吸ユリア
機械が喋っているようなうらぶれた音からはじまる。
広場で2、アンチモネシア、Gemini2とかでも使われている音?
中井さんのメロディーを思い出したんだよね。
松田さんが仰っていた、誰かの影響を受けて新しいものを作っているという感じがした。
12.(出囃子)ECHO-233
出囃子で水飲む飲む。相当に暑かったようだ。ギター擦り付け奏法再び。
ゆったりメロディにチャカチャカした細かいリズムを刻んでる曲が大好きで、
癖にもろに刺さった。達人の山とかもそう。
ギターも高音の声も囁き声も、個人的に好きなものがつまった曲。
13.巡航プシクラオン
Phantom Notesより、「パッポン通りの美術館、カトゥーイ・バー」を思い起こす。
間奏のギターアレンジが好き。
14.遮眼大師
これもザ・核P曲。周囲皆窮鼠で音程が変わるところでバックの炎が赤から青へ。
人格が変わるところも核Pぽい。
マントラ打つ平沢さんむちゃくちゃかっこよかった。ライトがまぶしい。
15.Big Brother
罪と知るべし、の後の振りのカッコよさよ。
16.(出囃子)PLANET-HOME
平沢さんのギターを見てるTAZZかわいい。おもちゃみたいな動きのSSHOかわいい。
曲終わりで「ありがと」と手を上げる平沢さん。
MC
「お足元の悪い中お集まりいただきありがとうございます」
「あってはいけないことですが、追加公演を決めました。そこ(上手)で多数決で。」
「喜んでいるけど、入れなかった人のためにやるんだよ、わかる?」
言い聞かせる様が先生のよう。
「白会人を紹介します。黒会人とは違う人材です。」
「白会人は大きいというもっぱらの噂にちなんでではないですが、白く巨大で。」
(twitterの一部で流行した「TAZZ大陸」、これを見ていらしたんだろうな笑)
EN1.白く巨大で
EN2.それ行け!Halycon
松と目くばせ。途中で美術館ワンフレーズ。
twitterで「ボヤ騒ぎ」とあったので笑ってしまった。
MC2
(まさかの2度目のアンコール!に対して)
「えー、新人なので媚を売りました。次回はないと思え。」
(えー!)「やかましい」
EN3.アンチモネシア
ギターソロがやさしい。
「ありがとう。またこんど。」
いつもは言わない「またこんど」に会場もTLもざわつく。
2日目は会場に観に行きます。楽しみ!
追記
後のtwitterにて、ステージ上暑く、水を襟元から服の中へ流し込んでいたことが判明。
とはいえ、年々クウォリティの上がる音声での配信に感謝しかない。
今回、レーザーハープがなかったことにまず驚いた。
高出力のレーザーが一台壊れて、取り寄せているが難しいって仰ってたことと関係ある?
それとも飽きたとか、よりP-MODELらしさを狙ったとか?
01.OH MAMA!
まさかこの曲から始まるとは。うおーっまじか!と言ってしまった。
核Pオリジナルもソロも好きだけれどやっぱりP-MODELの曲をやってくれると昂る。
初日の1曲目だからか、音が取りづらそうな印象。
BSPでもお客さんが入ると途端に音のバランスが変わると仰っていたし。
02.гипноза
白会人、ソファにどっかりと座って両腕を上げるポーズが印象的。
03.アンチビストロン
核Pの代表曲の一つと思う。ポップな感じを受けるが実は歌詞は風刺ってるし、
ギターは男前だしで、P-MODELだなあと思う。
ポポポポポポポポポポポポドゥン の会人の動きが可愛らしい。
ポポポポのときは首を左右に傾げ、ドゥンでしゃがむ。
04.(出囃子)TRAVELATOR
音階のせいで勝手にテクノインド風味と思っている。
イントロのギターのリフ、マイナスのライブにゲスト参加されたときのギターソロを思い出す。繰り返すのがかっこいい。
このとき宅オ側ではノイズが入ってしまったが、それも味だったなあ。
05.(出囃子)幽霊飛行機
3人の揃いのポーズが良い。シンクロポーズと言えばパラコザ、ハイノンだけどそこまでストイックでなく、Pevoのライブでキメポーズした時を思い出した。なぜだろうー(←)
サビのメロディは爽やかで、タイトルのわりに上空初期値みたい。
個人的にマンドレ+P-MODEL(解凍)+核P+平沢ソロが全部入っている曲だと感じた。
06.(出囃子)HUMAN-LE
浄化曲。エンディング感。エンディング感の曲も結構多いよね。
フレーズ繰り返し、今回のアルバムに多い。
この曲もイントロと風を打ちのところとか。これが回なのか。
明日より遠く~過去より遠くのところが好き。
07.回=回
のど休めかと思いきや歌った(実は次にフルヘに行くと思っていた)。
やっぱりギター好きなんじゃん。シンプルだからこそ平沢さんの声圧を感じられる曲。
08.(出囃子)無頭騎士の伝言
出だしの「ぅあさー!」がライブぽかった。高音の声が美しい。
なんでか昭和歌謡ぽさを覚える。
09.109号区の氾濫
松と目くばせギターかけあい。こういうのを見るともうP-MODELじゃんと思う。
10.(出囃子)OPUS
音階よく知らないけれど、レラ抜き?日本音階?沖縄音階ぽいと思った。
アルバムの中で一番メロディーが予測できなかったがなぜかなつかしさを感じる。
大きい、深い、重い、不穏、えぐられる。会人ヘドバン。
全体的にそうだけど、テンポが秀逸。すべてにおいて最適なテンポだと思う。
11.亜呼吸ユリア
機械が喋っているようなうらぶれた音からはじまる。
広場で2、アンチモネシア、Gemini2とかでも使われている音?
中井さんのメロディーを思い出したんだよね。
松田さんが仰っていた、誰かの影響を受けて新しいものを作っているという感じがした。
12.(出囃子)ECHO-233
出囃子で水飲む飲む。相当に暑かったようだ。ギター擦り付け奏法再び。
ゆったりメロディにチャカチャカした細かいリズムを刻んでる曲が大好きで、
癖にもろに刺さった。達人の山とかもそう。
ギターも高音の声も囁き声も、個人的に好きなものがつまった曲。
13.巡航プシクラオン
Phantom Notesより、「パッポン通りの美術館、カトゥーイ・バー」を思い起こす。
間奏のギターアレンジが好き。
14.遮眼大師
これもザ・核P曲。周囲皆窮鼠で音程が変わるところでバックの炎が赤から青へ。
人格が変わるところも核Pぽい。
マントラ打つ平沢さんむちゃくちゃかっこよかった。ライトがまぶしい。
15.Big Brother
罪と知るべし、の後の振りのカッコよさよ。
16.(出囃子)PLANET-HOME
平沢さんのギターを見てるTAZZかわいい。おもちゃみたいな動きのSSHOかわいい。
曲終わりで「ありがと」と手を上げる平沢さん。
MC
「お足元の悪い中お集まりいただきありがとうございます」
「あってはいけないことですが、追加公演を決めました。そこ(上手)で多数決で。」
「喜んでいるけど、入れなかった人のためにやるんだよ、わかる?」
言い聞かせる様が先生のよう。
「白会人を紹介します。黒会人とは違う人材です。」
「白会人は大きいというもっぱらの噂にちなんでではないですが、白く巨大で。」
(twitterの一部で流行した「TAZZ大陸」、これを見ていらしたんだろうな笑)
EN1.白く巨大で
EN2.それ行け!Halycon
松と目くばせ。途中で美術館ワンフレーズ。
twitterで「ボヤ騒ぎ」とあったので笑ってしまった。
MC2
(まさかの2度目のアンコール!に対して)
「えー、新人なので媚を売りました。次回はないと思え。」
(えー!)「やかましい」
EN3.アンチモネシア
ギターソロがやさしい。
「ありがとう。またこんど。」
いつもは言わない「またこんど」に会場もTLもざわつく。
2日目は会場に観に行きます。楽しみ!
追記
後のtwitterにて、ステージ上暑く、水を襟元から服の中へ流し込んでいたことが判明。
2018年7月21日土曜日
消えていくなら朝 @新国立劇場
◆あらすじ(公式サイトより)
家族と疎遠の作家である定男は、五年ぶりに帰省する。
作家として成功をおさめている定男であったが、誰もその話に触れようとしない。
むしろその話を避けている。家族は定男の仕事に良い印象を持っていないのだ。
定男は切り出す。
「......今度の新作は、この家族をありのままに描いてみようと思うんだ」
家族とは、仕事とは、表現とは、人生とは、愛とは、幸福とは、親とは、子とは、
様々な議論の火ぶたが切って落とされた。 本音をぶつけあった先、その家族に
何が起こるのか。
何が残るのか。
◆感想
観ていて苦しかったお芝居。
サダオが営業マンである兄に「自分にはできない仕事。尊敬する」というと、
兄は「その言い方、嫌味だな、どうせ馬鹿にしてるんだろ」と反論。
お父さん子だと思っていた妹は、「お父さんが一人でかわいそうだったから、一緒にいた。お兄ちゃんの代わりに私が息子になろうと思った」と告白。
(子供時代、宗教にはまった母は兄をつれまわして宗教活動していたため父は一人…)
「家族だから」こそ他人とは違う気の遣い方をするし、言えないこともある。
一緒に暮らしていたから相手のことを知っているつもりでも、実は違う。
「家族だから」こその苛立ちや諦めや、過去にあった「なかったことにしたい」こと。
苦しかったのは、家族の中でのタブーをあんなふうに直接的に言葉にされて、
(エピソードは違えど)私自身と家族とのかかわりが浮き彫りにされたようだったこと。
そしてきっと(うちなら)、吐き出しあっても、それがまた無かったことになって、
なんとなく収まっていくだろうということ。それはそれでタブーが増えるだけだ。
ラストは、ぜんぶ吐き出した後に、これからどうするのか、家族はどう考えるのかを、
観客にゆだねる終わり方だった。
ゆだねられた私の答えは「タブーが増える」だったから、苦しさは消えなかった。
それと、「消えていくなら朝」というタイトルの意味がわからなかった。
◆出演
鈴木浩介/山中 崇/高野志穂/吉野実紗/梅沢昌代/高橋長英
家族と疎遠の作家である定男は、五年ぶりに帰省する。
作家として成功をおさめている定男であったが、誰もその話に触れようとしない。
むしろその話を避けている。家族は定男の仕事に良い印象を持っていないのだ。
定男は切り出す。
「......今度の新作は、この家族をありのままに描いてみようと思うんだ」
家族とは、仕事とは、表現とは、人生とは、愛とは、幸福とは、親とは、子とは、
様々な議論の火ぶたが切って落とされた。 本音をぶつけあった先、その家族に
何が起こるのか。
何が残るのか。
◆感想
観ていて苦しかったお芝居。
久しぶりにあう父子のぎくしゃくした会話も。
「家族だからこそ心にしまっていたこと」を吐き出しあうシーンも。
「サダオはちゃらんぽらんで、苦労したことがないから~」という家族。
「芝居も見に来たことがないのに、俺が苦労していないとなぜ言える?」とサダオ。サダオが営業マンである兄に「自分にはできない仕事。尊敬する」というと、
兄は「その言い方、嫌味だな、どうせ馬鹿にしてるんだろ」と反論。
お父さん子だと思っていた妹は、「お父さんが一人でかわいそうだったから、一緒にいた。お兄ちゃんの代わりに私が息子になろうと思った」と告白。
(子供時代、宗教にはまった母は兄をつれまわして宗教活動していたため父は一人…)
「家族だから」こそ他人とは違う気の遣い方をするし、言えないこともある。
一緒に暮らしていたから相手のことを知っているつもりでも、実は違う。
「家族だから」こその苛立ちや諦めや、過去にあった「なかったことにしたい」こと。
苦しかったのは、家族の中でのタブーをあんなふうに直接的に言葉にされて、
(エピソードは違えど)私自身と家族とのかかわりが浮き彫りにされたようだったこと。
そしてきっと(うちなら)、吐き出しあっても、それがまた無かったことになって、
なんとなく収まっていくだろうということ。それはそれでタブーが増えるだけだ。
ラストは、ぜんぶ吐き出した後に、これからどうするのか、家族はどう考えるのかを、
観客にゆだねる終わり方だった。
ゆだねられた私の答えは「タブーが増える」だったから、苦しさは消えなかった。
それと、「消えていくなら朝」というタイトルの意味がわからなかった。
◆出演
鈴木浩介/山中 崇/高野志穂/吉野実紗/梅沢昌代/高橋長英
2018年7月20日金曜日
天守物語 -夜叉ヶ池編- @花園神社
出張会議後、飲み会かと思いきやあっさり解散。ぽかっと空いた予定。
慣れない会議にハイヒールで疲れていたため、少し迷ったが、行くことにした。
初めての野外劇。
物語が進むと、外の空気が相乗効果を生み、物語の中にいるような感覚になった。
お花釣りや亀姫様登場のシーンで風がふくと、あ、私もこの場面にいる、と思う。
車のライトが雷のような効果を生む。
幕が風に揺れると、妖しさがよりいっそう際立つ。
特に天守閣の、あの色をおさえた幕は、何か居そうで涼しげで、なんども目をやった。
お話は、みっつの物語が組み合わさっていた。
天守物語と、夜叉ヶ池と、現代(鏡花の時代)と。
はじめに母子が出てきたときは、?がいっぱいだったけれど、あんな風にリンク
するのかと、加納さんならではの演出だと思った。
そしてラストの仕掛けにびっくり。
舞台そでから客席の後ろから、洪水に見立てたおおきな幕が舞台上へと押し寄せる。
そして崩れる天守閣。圧巻。
天守物語と、夜叉ヶ池のもとのあらすじが思い出せなくなるほどの構成、
みっつの話を行き来するのに、観ていてすんなり入ってくるストーリーは
あっぱれでございました。
暑かったけれども、たまに吹く夜風が心地よく。
お隣さんが団扇で扇ぐ風も、意図せずおすそ分けいただいてしまった。
お祭り気分も味わえて、素晴らしい時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。
◆出演
松本紀保、原川浩明、粟野史浩、田渕正博、木下藤次郎、鳥越勇作、趙徳安
井上カオリ、岡村多加江、浜野まどか、瀬山英里子、山中淳恵、犬飼淳治
一色洋平、時津真人、佐久間淳也、鈴木幸二、斉藤健、青野竜平、岩渕敏司
永栄正顕、町屋圭佑、舟山利也、外波山流太、中島愛子、碧さやか、牧野未幸
鈴木彩乃、天羽亜衣、下元史朗、水野あや、外波山文明
慣れない会議にハイヒールで疲れていたため、少し迷ったが、行くことにした。
初めての野外劇。
物語が進むと、外の空気が相乗効果を生み、物語の中にいるような感覚になった。
お花釣りや亀姫様登場のシーンで風がふくと、あ、私もこの場面にいる、と思う。
車のライトが雷のような効果を生む。
幕が風に揺れると、妖しさがよりいっそう際立つ。
特に天守閣の、あの色をおさえた幕は、何か居そうで涼しげで、なんども目をやった。
お話は、みっつの物語が組み合わさっていた。
天守物語と、夜叉ヶ池と、現代(鏡花の時代)と。
はじめに母子が出てきたときは、?がいっぱいだったけれど、あんな風にリンク
するのかと、加納さんならではの演出だと思った。
そしてラストの仕掛けにびっくり。
舞台そでから客席の後ろから、洪水に見立てたおおきな幕が舞台上へと押し寄せる。
そして崩れる天守閣。圧巻。
天守物語と、夜叉ヶ池のもとのあらすじが思い出せなくなるほどの構成、
みっつの話を行き来するのに、観ていてすんなり入ってくるストーリーは
あっぱれでございました。
暑かったけれども、たまに吹く夜風が心地よく。
お隣さんが団扇で扇ぐ風も、意図せずおすそ分けいただいてしまった。
お祭り気分も味わえて、素晴らしい時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。
◆出演
松本紀保、原川浩明、粟野史浩、田渕正博、木下藤次郎、鳥越勇作、趙徳安
井上カオリ、岡村多加江、浜野まどか、瀬山英里子、山中淳恵、犬飼淳治
一色洋平、時津真人、佐久間淳也、鈴木幸二、斉藤健、青野竜平、岩渕敏司
永栄正顕、町屋圭佑、舟山利也、外波山流太、中島愛子、碧さやか、牧野未幸
鈴木彩乃、天羽亜衣、下元史朗、水野あや、外波山文明
2018年6月30日土曜日
安楽病棟@本多劇場
認知症病棟が舞台のお芝居。原作は、帚木蓬生さんの同名の小説。
認知症病棟に入院する患者さんの自分語りと、病棟での日常生活が流れていく。
家族に認知症を患った者がいないのだが、そんな私にもリアルに感じられた。
エピソードもそうだけれど、全員の振る舞いが、演技と思えないほどだった。
テーマは、認知症における終末期医療。そして尊厳死。
海外では、安楽死をみとめている国もあるが、深く考えたことはなかった。
日本では、消極的安楽死(=延命治療を行わない、中断すること)は合法だが
積極的安楽死(=致死量の投薬を行うこと)は違法だ。
劇中に、積極的安楽死と消極的安楽死について問いかける場面がある。
例えば自発呼吸ができない患者の場合、人口呼吸器を付けることで生かされる。
消極的安楽死は、人工呼吸器を外すこと。すなわち窒息死。
積極的安楽死は、モルヒネ等を致死量投薬することで、眠るように逝ける。
患者にとってどちらが良いだろうか?と。
私自身は漠然と、人の世話になるくらいならいっそ、と考えているが
では自分以外の家族が積極的安楽死を希望するなら同意するか?と問われれば、
その時になってみないとわからないけれど、生きられるのならば、生きていて
ほしいと言うかもしれない。勝手なもんだ。
医療の発達によって、たくさんの命を救えるようになった。
それは純粋に良いことだと思うけれど、同じだけ、死についても考えなければ。
高齢化社会が進む日本、いつか安楽死が合法化されるのだろうか。
余談。オーストラリアでは「Sarco(サルコ)」という自殺幇助マシンが発表
されたそうだが、日本での導入はないな。そのまま棺として利用するらしいし。
◆出演
児玉謙次、名取幸政、山野史人、永幡洋、長克巳、嶋崎伸夫、堀部隆一、
石母田史朗、鹿野宗健、岩倉高子、阪上和子、藤夏子、山本与志恵、吉本選江、
五味多恵子、野沢由香里、津田真澄、小暮智美、井口恭子、世奈、橋本菜摘
認知症病棟に入院する患者さんの自分語りと、病棟での日常生活が流れていく。
家族に認知症を患った者がいないのだが、そんな私にもリアルに感じられた。
エピソードもそうだけれど、全員の振る舞いが、演技と思えないほどだった。
テーマは、認知症における終末期医療。そして尊厳死。
海外では、安楽死をみとめている国もあるが、深く考えたことはなかった。
日本では、消極的安楽死(=延命治療を行わない、中断すること)は合法だが
積極的安楽死(=致死量の投薬を行うこと)は違法だ。
劇中に、積極的安楽死と消極的安楽死について問いかける場面がある。
例えば自発呼吸ができない患者の場合、人口呼吸器を付けることで生かされる。
消極的安楽死は、人工呼吸器を外すこと。すなわち窒息死。
積極的安楽死は、モルヒネ等を致死量投薬することで、眠るように逝ける。
患者にとってどちらが良いだろうか?と。
私自身は漠然と、人の世話になるくらいならいっそ、と考えているが
では自分以外の家族が積極的安楽死を希望するなら同意するか?と問われれば、
その時になってみないとわからないけれど、生きられるのならば、生きていて
ほしいと言うかもしれない。勝手なもんだ。
医療の発達によって、たくさんの命を救えるようになった。
それは純粋に良いことだと思うけれど、同じだけ、死についても考えなければ。
高齢化社会が進む日本、いつか安楽死が合法化されるのだろうか。
余談。オーストラリアでは「Sarco(サルコ)」という自殺幇助マシンが発表
されたそうだが、日本での導入はないな。そのまま棺として利用するらしいし。
◆出演
児玉謙次、名取幸政、山野史人、永幡洋、長克巳、嶋崎伸夫、堀部隆一、
石母田史朗、鹿野宗健、岩倉高子、阪上和子、藤夏子、山本与志恵、吉本選江、
五味多恵子、野沢由香里、津田真澄、小暮智美、井口恭子、世奈、橋本菜摘
2018年5月5日土曜日
1984@新国立劇場
小説では読んでいた1984年。
1年前に、お芝居として上演されると知ってからずーっと心待ちにしていたのだ。
舞台上手の机でノートを広げ、ペンを持つウィンストン・スミス氏、スクリーンにはその手元が映し出されている。
テレスクリーンに隠れて日記を書こうとするあのシーン。
文字で読んでいたものが映像化されていることにまず感動する。
そのまま、1984年のまま展開していくかと思いきや、途中で過去と未来を行き来するような構成になっていた。
途中に1984年という小説について、ディスカッションをしている風景が挟まる。
後でパンフレットを読んで意味が分かった。
小説版の1984年では、巻末に付録としてニュースピークの解説が載っている。
2050年以降に書かれたとされるそれは、1984年という時代を振り返って分析、解説している。
つまり1984年本編は劇中劇ともいえるということ。
何と残念なことに、「付録」の部分を読んでいなかった私。。何ともったいない。
しかし続きを読めると思えば。別角度から見られる楽しみがひとつ増えたということで良しとしよう。
(舞台を観なければずっと気づかなかったかもしれない。いや、だいぶ後になって再読して、ようやくトリックに気付いたかもしれない。それはそれでおもしろそうだけど。)
101号室の描写、血のりがリアルで目を覆いたくなるくらいだったが、一番苦しかったのは迫ってくる舞台で、
時計仕掛けのオレンジみたいに無理やり目を開けられて見せられているような感じだった。
オブライエン役として大杉連さんが起用されていたが、今年2月に隣接次元に漏れてしまった。合掌。
◆出演
井上芳雄 ともさかりえ 森下能幸 宮地雅子 山口翔悟 神農直隆 武子太郎 曽我部洋士 堀元宗一朗青沼くるみ 下澤実礼 本多明鈴日
1年前に、お芝居として上演されると知ってからずーっと心待ちにしていたのだ。
舞台上手の机でノートを広げ、ペンを持つウィンストン・スミス氏、スクリーンにはその手元が映し出されている。
テレスクリーンに隠れて日記を書こうとするあのシーン。
文字で読んでいたものが映像化されていることにまず感動する。
そのまま、1984年のまま展開していくかと思いきや、途中で過去と未来を行き来するような構成になっていた。
途中に1984年という小説について、ディスカッションをしている風景が挟まる。
後でパンフレットを読んで意味が分かった。
小説版の1984年では、巻末に付録としてニュースピークの解説が載っている。
2050年以降に書かれたとされるそれは、1984年という時代を振り返って分析、解説している。
つまり1984年本編は劇中劇ともいえるということ。
何と残念なことに、「付録」の部分を読んでいなかった私。。何ともったいない。
しかし続きを読めると思えば。別角度から見られる楽しみがひとつ増えたということで良しとしよう。
(舞台を観なければずっと気づかなかったかもしれない。いや、だいぶ後になって再読して、ようやくトリックに気付いたかもしれない。それはそれでおもしろそうだけど。)
101号室の描写、血のりがリアルで目を覆いたくなるくらいだったが、一番苦しかったのは迫ってくる舞台で、
時計仕掛けのオレンジみたいに無理やり目を開けられて見せられているような感じだった。
オブライエン役として大杉連さんが起用されていたが、今年2月に隣接次元に漏れてしまった。合掌。
◆出演
井上芳雄 ともさかりえ 森下能幸 宮地雅子 山口翔悟 神農直隆 武子太郎 曽我部洋士 堀元宗一朗青沼くるみ 下澤実礼 本多明鈴日
煙が目にしみる@本多劇場
待合室のようなところに白装束の男性が二人。
会話の内容から、二人はこれから火葬されようとする故人(幽霊)であることがわかる。
偶然同じ斎場となった二人の故人と、その家族のお話。
加藤健一さん演じる桂おばあちゃんがイタコとなって、故人の思いを家族に伝える。
(……こう書くとストーリーを誤解されてしまいそうだ。)
少しボケが入ってきた、ゴシップ好きのお節介おばあちゃんにだけ幽霊の姿が見えるという設定から、
深刻さを笑いに変えながら、テンポよく進行していく。
最後はしっかりと泣かせ、観終わった後は晴れ晴れとして、あたたかい気持ちになるお芝居だった。
本筋とは別に、劇中の細かい設定がお葬式あるあるで、親族あるあるで、どこも一緒だなあと苦笑。
反抗期の娘、帰ってこない息子、父の彼女、発注ミスのお弁当、クセの強い親戚、、、
一見すると必要なさそうな設定がよりリアルに見せるのでしょうね。
家族だからこそ素直になれないことやひみつにしておきたいことはたくさんある。
だからほんとうの生活は誤解ばかりなのかもしれない。
気持ちを伝えたくても、死んでしまってからではもう遅い。でも伝えたい。
そんな希望を代弁してくれるから、このお話が愛されるのだろうと思いました。
今回の公演は13年ぶりの再演だそう。
13年前の公演を観た先輩に教えられて観劇した。
私のはじめての「再演観劇」は、次回公演の花組芝居「天守物語」になりそうだ。
◆出演
加藤健一 / 山本郁子 / 天宮良 / 加藤忍 / 伊東由美子 / 佐伯太輔 / 菊地美香 / 伊原農 / 久留飛雄己 / 吉田芽吹 / 照屋実 / 新井康弘
会話の内容から、二人はこれから火葬されようとする故人(幽霊)であることがわかる。
偶然同じ斎場となった二人の故人と、その家族のお話。
加藤健一さん演じる桂おばあちゃんがイタコとなって、故人の思いを家族に伝える。
(……こう書くとストーリーを誤解されてしまいそうだ。)
少しボケが入ってきた、ゴシップ好きのお節介おばあちゃんにだけ幽霊の姿が見えるという設定から、
深刻さを笑いに変えながら、テンポよく進行していく。
最後はしっかりと泣かせ、観終わった後は晴れ晴れとして、あたたかい気持ちになるお芝居だった。
本筋とは別に、劇中の細かい設定がお葬式あるあるで、親族あるあるで、どこも一緒だなあと苦笑。
反抗期の娘、帰ってこない息子、父の彼女、発注ミスのお弁当、クセの強い親戚、、、
一見すると必要なさそうな設定がよりリアルに見せるのでしょうね。
家族だからこそ素直になれないことやひみつにしておきたいことはたくさんある。
だからほんとうの生活は誤解ばかりなのかもしれない。
気持ちを伝えたくても、死んでしまってからではもう遅い。でも伝えたい。
そんな希望を代弁してくれるから、このお話が愛されるのだろうと思いました。
今回の公演は13年ぶりの再演だそう。
13年前の公演を観た先輩に教えられて観劇した。
私のはじめての「再演観劇」は、次回公演の花組芝居「天守物語」になりそうだ。
◆出演
加藤健一 / 山本郁子 / 天宮良 / 加藤忍 / 伊東由美子 / 佐伯太輔 / 菊地美香 / 伊原農 / 久留飛雄己 / 吉田芽吹 / 照屋実 / 新井康弘
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