えー、じゃ、そろそろ皆さんの質問にお答えしていくことにします。
あの、大阪に関しては、沢山質問いただきました。
11年ぶりに来てどうだったのかとか、次はやってくれるのかとかっていう。
それはもう冒頭でお答えした通りで、その質問は省かせていただきます。
それで、質問はランダムにピックアップしておりまして、もしかしたら同じ質問者の質問を取り上げてしまうかもしれませんがご容赦ください。
いちいち調べずにピックアップしてしまっています。
ということで、じゃ、始めましょう。
では質問です。
(24:29)
打数センサーは何を使用しているのでしょうか。システム構成も知りたいです。ということです。
まず打数センサーは、スネアドラムにだけ付いております。
スネアドラムが何発叩かれたか、ということをカウントするシステムなんですが、まず、スネアドラムの淵にこういうものが付いております(25:01)。
この左上の方にに見える、これがセンサーですね。
昔はこういうものが無くて、ちょうどP-MODELがドラムの音をいったんシンセサイザーに通して、それを加工して出すというのをライブでやっていた頃にはこんないいものはなくて、マイクを使ってやっていたんですが、これが、非常に細かくキャッチしてくれます。
例えば強い音……マイクですと、例えば強い音は拾うんだけれども弱い音はカウントしないというような状況が生じてしまいがちなんですが、ドラム用のセンサーですので、これが強い音から弱い音まで拾ってくれると。非常に解像度高く拾ってくれると。
ですから、例えばスネアを思いっきりバン!と叩いたあとに、細かくこう縮緬状にダラララとやってるような時でもカウントしています。
で、この音が他の音にかき消されて聞こえていない場合でもカウントしてしまいますので、「叩いていないのにカウントしているんじゃないか」と思った方がいるようですが、質問にもありましたけれども、そうではなくて、非常に細かく小さな音、ほとんどスティックが触れる程度のものまで拾っています。
これで拾った音を、ここに送ります(26:58)。
これは、いわゆるドラムシンセサイ……なんて言うんでしょうかねコレ、デジタルドラムってい言うんでしょうかね。
この中には何百種類というドラムの音が仕込まれていまして、ライブでシンセドラムの音とか、生ドラムの音とか、生ドラムも色んな場所で叩いた音とか出すことができるんですが実は、今回はその音は使用せず、この機械を通すことによって、音声信号だったものをMIDI信号に変換するということをやっています。
MIDI信号に変換されたものは、USBを通してコンピューターの中に送って処理することができます。
これはオーディオ信号ではなく、デジタル化されたMIDI信号ですので、その後、色々扱いやすいという状況になります。
そうしておいて、スタッフが作ったプログラムですね、打数カウントプログラムに送られて、そのプログラムから、今度はLEDモニターに送られて、会場で表示されるというようなシステムでありました。
ちょうどLEDモニターが、非常にシンプルな、電光掲示板のような演出で使っていましたけれども、実は映像も流せるということで、急遽、東京では映像も、二日目から流しました。
というのが、打数センサーのシステムです。
今ちょっと言ってしまったので続けて全部お話しますけれども、東京では途中で映像を流しました。
あの映像というのは、大阪で発売されました、メモリアルカードを買うとダウンロードできるコンテンツの中に入っていたムービーです。
それで、「打数モジュールの使用許可申請をしているところ」を東京では上映いたしました。
なぜかと言いますと、東京のステージは非常に暑くて、上領さんを休ませなければいけないと。
上領さんは肝が据わってますから、一日目で大変だったということを告白してますけれども、泣き言を言ったわけではないです。
でも私の判断で、これはちょっと休ませなければいけないと、いうことで、映像を挟むことにしました。ということです。
では次の質問に行きたいと思います。
(30:39)
これまでのライブでは、ヒラサワ的世界観という、どの文化にも属さない唯一無二の雰囲気を感じておりました。
しかし今回のライブは松(SSHO)や鶴(TAZZ)などの、袴的衣装などの、随所に日本的世界観、「和」を感じました。
これには何か師匠の中で心境の変化があったんでしょうか。
というご質問ですが、変化はございません。
和というか、日本的世界観というのは、直接その意匠を採用するまでもなく、現代的な意匠というかデザインというか、そういうものに託して、機能させるということはずっとやってきていることでありまして、特に殊更、今回「そうだ、ジャパンで行こう。」みたいな発想はございませんでした。ということです。
かつですね、上領さんが袴を持っているという。
これ、あの、袴を持っているドラマーはいないと思いますけれども。
上領さんの方から「袴はどうですか?」という提案がありまして、「ぜひやってください」ということでお願いしました。
で、それによって、実は上領さんがステージに登場する経路も変更しました。
最短距離でドラムの位置まで行ってもらうつもりだったんですが、反対側から出て、ステージを横断してドラムまで行くという、その間に袴姿を見ていただくという演出に変更しております。
上領さん、袴姿、非常に似合ったと思います。ということです。
では次の質問です。
(32:42)
すっかり今回のライブの顔となった会人のお二人ですが、あのキャラクターの発想はどこから来たものでしょうか。
またパフォーマンスにはどのようにお感じでしたでしょうか。
演奏、我々の反応の両側面から伺います。
ということなんですが、まず、他の質問にもありましたけれども、会人はスーツ姿でマスクを付けていて暑くないのか、それから視界が悪くないのか、というご質問が他でもありましたけれども、まずあれは「マスク」ではなく「顔」です。
「会人」という種類の亞人間というか、会人の方が我々人類よりも進化しているんですけれども、あれは、顔です。
ということで、「キャラクター」ではなく「会人」です。
パフォーマンスは、会人の文化から自然に湧き出る身体の動きとか、そういうものに準拠しております。
もし街で会人に会ったら、ぜひとも、そのように思い出していただいて、「お面を外してください」とか、そういう失礼なことを言わないようにお願いいたします。
では次の質問です。
(34:27)
新譜、第9曼荼羅について平沢さんはどのようなイメージをもって制作されたのかお聞きしたいです。
新譜というのは「第9曼荼羅」という、配信された曲のことですよね?
この曲についての質問も他にありましたね。
なぜ、「サイボーグ」の逆回しが入っているのかとか、その辺にどんな意図があるのかとか、っていう質問にも併せてお答えしようと思いますが。
まず、そうですね、「円環」というか「始まりは終わり…は始まり」みたいな曼荼羅的な円環という意味で、最初の第9曼荼羅スタート時点の曲を最後に、第9曼荼羅で繋ぐと。
つまり逆回しですので、お尻と頭を繋ぐと。ウロボロスですね。要するに。
ウロボロスのような、と、円環というか円形というか、曼荼羅的な発想ですね。
そのようなイメージから作られています。
それから、「90,000打に達したのに何でめでたい感じがしないんだ」という質問もありましたけれども、これはですね、この曲の作り方というのは、私の意図というよりも、そこに与えられた状況とか素材とかいうものから必然的にできるもので、私の意図はあまり介入しないという考えのもとに作られています。
ですから、まず「サイボーグ」のボーカルトラックがあり、これの逆回しと編集から始まるわけです。
そこから可能な構成を積み重ねてゆく結果、あのような状況、あのようなムードを持った楽曲になったということであります。
以上、第9曼荼羅についてでした。
それでは次ですね。
(37:32)
打数に関してはドラマーにお任せだったと平野さんがツイートされていましたが、演奏の内容自体に関して、上領さんに何か指示したことはあったのでしょうか。
これ質問が二つになっていますね。
要は、上領さんに演奏に関して何か注文を出したのかどうかということだと思いますが……、あ、平野さんというのはウチのスタッフですね、はい。女子社員ですね、はい。
上領さんにはですね、ほとんどと言っていいほど指示は出していません。
「上領さんなので、任せておけば大丈夫」ということで。
ま、二人で「ここはこうしたほうがいいかもね」みたいなことはありましたけれども、とにかく上領さんありき、ということでした。
では次行きます。
(38:47)
楽屋では何を飲みますか。温かいお茶を淹れますか。何種類かありますか。
楽屋ではですね、ケータリングのお姉さんというのが廊下にいるんですよ。
廊下に行くとですね、日本茶、それからコーヒー紅茶、それから冷たい飲み物、コーラ、ウーロン茶、ポカリスエット、水、等が置いてあるんです。
そういうところで、だいたいコーヒーか、日本茶、いただいております。
以上です。エー次。
(39:46)
イヤーモニターにはどんな音声が流れているのですか。
イヤーモニターにはまず楽曲のオケが聞こえてますね。
それと「クリック」と言って、カッカッカッカッという音がずーっと流れています。
で、例えばですね、何故それが流れているかというと、オケは打ち込みでされているものなので、バンド演奏とは違うんですね。
バンド演奏というのは、例えば途中でブレイクして音が途切れたとして、次に始まる時にはメンバー同士の呼吸というか、そういうものによって、次の「ジャーン」が出せるんです。
ところが、打ち込まれたオケというのは私の呼吸なんか知ったこっちゃないですので、勝手に行っちゃうわけですね。
私はそっちに合わせなきゃいけないので、無音の状態でもクリックが鳴っていないとリズムを外してしまうと。
にもかかわらず、東京かどっかで歌の出だし間違えたのは何故かというのはまた別の問題であります。という感じです。
それと、緊急時の指示音声というものが、イヤーモニターから流れてきます。
それで、そうですね、別の質問の中に「観客が歌を歌ったり、手拍子を取ったりしてやりづらくないか」というのがあったんですが、聞こえておりません。
会場の音をイヤーモニターに返すことは可能です。
で、観客がワーッと騒げばそれだけこっちもテンション上がるみたいなことは可能なんですが、そんなことするとね、やりにくいんですよ。
まして観客が、よく皆さん経験してるというか、DVDなんかを他のバンドでも観ててもわかると思うんですが、客が手拍子をし始めると、最初のうちは演奏と合っているんですけどだんだんずれてきますよね。
で、ずれてきてるのに、乱れないと。
これはなぜかというとバンドさんには聞こえていないんです。
聞こえてたらとにかく多勢に無勢ですから、素人のリズムに巻き込まれてはならないという事情がございますので、客の音は聞こえておりません。
ですから「ヒラサワ」と呼んでも聞こえません。
ということです。
それからついでにお話ししましょう。
勿論皆さんが歌っている歌声は聞こえません。
で、なんかあの、「客が歌って嬉しかったか」みたいなこと、なんか恍惚と、感極まってるんじゃないかみたいな見方をされている質問もありましたけれども、そんなことはございません。
ま、「勝手に歌うなら歌え」と。別に、止めもしないし催促もしない。
「好きにやればいいじゃない」という感じでございます。
次です。
(44:06)
以前のEVOと今回のケミカルコーティングのEVOでは、色の他に仕様や音色などの違いはありますか。
今回はですね、いつも使っているEVOは、東京では別バージョンを……ア東京じゃねぇや大阪もそうだったのか、新しいバージョンを使ってます。
化学薬品で表面を磨き上げたみたいな、ツルツルの感じですね。
前のバージョンはアルミのヘアライン仕上げみたいな、ちょっとこう霞んだ、いわゆるアルミっぽいものだったんですが、今回はもっとピカピカに磨かれたように見えるものでした。
これは、音は同じです。あの、オリジナルのEVOと同じです。
私が普段使っているのはオリジナルのEVOとはちょっと仕様が違いまして、若干音も……ま、かなり音も違うんですが、今回はノーマルの仕様のまま使いました。
ということで、市販されているものと同じです。今回は。
で次ですね。
これは「サイボーグ」に関する……あ、同じ……これはもう答えちゃいましたね。
ライブ前から東京入りされているので、しばらくは普段と違う生活スタイルになると思うのですが、これだけは欠かせないという日課などはありますか。
あります。呼吸法ですね。呼吸法はどこに行ってもやります。
呼吸法と自律訓練法というか、呼吸法から繋がっていく瞑想法なんですけれども、これは、地球上のどこにいてもやります。
はい、以上です。
(46:50)
会人の二人が操作していたパネルはなんという楽器なのでしょうか。
はい、えーと、まず、こういうものですね(47:00)。
これはTAZZが使っていたもので、これは「Launchpad」というものです。
それからSSHOが使っていたのは「Push 2」と言われているもので、ほぼ同じものです。
これはどういうものかというとですね、要は鍵盤、普通のキーボードの白黒鍵盤をこういうふうに格子状に並べただけのものですね。
特に新しいものではなくてですね、まぁ、「光る」という意味においてちょっと新しいかもしれないのと、それから、打ち込み用のキーボードというのは音楽的な、その「楽音」だけではなくて、様々な命令を送受信できるようになっているんです。
それの「四角い形版」というのがこういうものです。
要はDJとかですね、それから最近のダブステップみたいな、人前で恥ずかしい行為を、つか、人に見せるべきではなさそうな、ウチで作ってきたものを順番変えて出す、みたいな。で、「ライブです。」みたいな。
……すいません、つまりこういうのってね、80年代にさんざんやられていて、もう終了しているんですけど、こういう機材が出てきてしまったもんだから、みんな、なんか「新しいものに触れている喜び」みたいなものでやってるんですけど、別に新しくないです。
で。そういうもんです。
ですから例えばこういうものの利点というのは、四角いので場所が(を)とらない、それから光るので、見て面白い、というところでしょうかね。
で。今回はTAZZとSSHOは二人ともこれを使いました。
これを使って何を鳴らしているかというと、ま、音源を鳴らしているんですけれども、ここからエイブルトンライブという、いわゆるライブ定番みたいな、ミュージシャン皆使ってるみたいな……今日はちょっと毒舌に差し掛かっておりますので、セーブしたいと思います。
というものです。よろしいでしょうか。
それから……次の質問です。これもさっき答えちゃったな……
(50:23)
今回レーザーハープのレーザーが客席に向かって照射されていなかったのはなぜか。
ということなんですが、これ事情がありまして。
ある日を境にレーザーハープのグリーンのレーザーが弱くなっているのにお気づきだと思います。
最初はレーザーの発信機、レーザーのモジュールをですね、2本使って1本のレーザービームを出していました。
ですから非常に高出力で、明るいんですね。
ところが、モジュールが、発信機が1個壊れてしまって、半分でやっているんです。
で、半分だとちょっと弱くてですね、客席のほうに照射するにはちょっと足りないと。
ではなぜ、もう一本修理するなり追加するなりしないのかというとですね、色々ヤバイ事情がありまして、つまり、高出力のレーザーというのは輸入できたりできなかったりする際どいところにあるんですね。
それをメーカー側がなんか「仕様を偽って税関をすり抜けてしまう」みたいなこともあったりなかったりして、そのような事情があってですね、なかなか調達できないという事情です。
でもあれは、確かに私も綺麗なものだと思いますし、ただ、毎回出てても面白くないなぁ、というのもありますけれども、またできれば復活させたいなとは思っております。
えーでは次、行きますが、まだこれ選んだものの半分も行ってないんじゃないかな。
えーと、今どこまで行ったっけ。
(52:57)
今回の公演は「ホログラムを登る男」と「白虎夜」を軸に組まれたセットリストでしたが、この二つのアルバムからの選曲が多かったこと、また、東京・大阪での選曲が同じであったことにはどのような意図があったのでしょうか。
多分今までの話で想像できたんではないかと思いますが、「打数のプランを立てやすいから」です。
全く同じ曲であれば計算しやすい、ということです。
それからですね、まず選曲につては、連打をする曲を取り入れている。
「サイボーグ」とかですね、「パレード」とかですね。そういうものですね。
打数を稼ぐために連打をする曲を取り入れています。
最初にその連打曲を選曲して、それに馴染みのいいものという選曲をしていった結果が第9曼荼羅のセットリスト内容です。ということでご理解ください。
えーでは次の質問です。
(54:30)
いつも華麗なレーザーハープ裁きですが、今回の第9曼荼羅の曲の中でも、一番改心の出来だったと平沢さんが思う振付はどの曲のどの部分ですか。
これ見てればわかると思うんですけど、順番は殆ど全曲同じです。
上左右、下左右という順番で動くようになっています。殆どが。勿論例外もあります。
自分で一番面白いなぁと思った動きがですね、「Dustoid」?
何かの時の「Dustoid」かな……か何かだったと。
あと「論理空軍」、何かのときの「論理空軍」……だったような気がします。
で、あの頃はですね、ごくごく生真面目に、なるべく面白いフォームになるように生真面目に構成していたんですが、そうすると覚えられないという事情があるのと、仕込みが大変だということもありまして、やめました。
ただ、出てくる順番はほぼ同でも、手を変えるとか……例えば左の一番を弾くのに……これ一番と言います、一番を弾くのに右手を出す、次に二番を引くのに左手を出す、というような、アレンジの仕方で動きが変わったように見えるようになっています。
それと、譜面があります。
今回からレーザーハープのタブ譜を作りました。
そのタブ譜を使って演奏しております。ということです。
では次ですね。
ちょっと待ってください、あと3分ですか。
ちょっと、かなりまだあるので、ちょっと延長しましょうか。
ま、私がやめたいと思うまでやりますかね……まいいや、適当にやります。
次……
0 件のコメント:
コメントを投稿